銀ノ魂篇/枷 ページ30
それまでの呆れから来る頭痛も、驚きで治ったらしい。
まじまじと自分を見てくるAを他所に、山崎はまたバズーカを巨大ロボットに向けて撃った。
「この通りです、Aさん、旦那。俺達は何も変わっちゃいない。江戸を護らんとするその
バズーカを肩に担ぐ。
「そのままに帰ってきた、ただの真選組です」
「いや、お前だけまるで別人だろーが!!」
至極真っ当なツッコミである。
「山崎お前何があった!! あんなになよっとしてたのに!!」
「何で1人だけベトナム戦争帰りみたいな顔してんですか!!」
「え? そんなに変わってますか俺」
「1回鏡見てこい!」
まさかの自覚無し。
人とはこの短期間で別人レベルの変化を遂げられるものだろうか。
「変わったも何も、」
「
「…………うん?」
以前の真選組では過去4年間1度も聞かなかった言葉が聞こえ、Aは目を瞬いた。
隊士達が山崎に駆け寄ってゆく。
「副長も沖田隊長も手こずってた敵を1発で!」
「
ポカン、と呆気にとられる。胴上げされる山崎を目だけで追う。
「オイオイ、なんか力関係もちょっと変化してんぞ!! あのジミーが隊の要になってんぞ!!」
「
だって最早山崎をやめている。
近藤はモザイクを、土方は煙草を、沖田は土方をいじるのをやめるのをやめただけなのに、
「自分じゃよく解らないスけど、しいていうなら俺も自分を解放したっていうか」
胴上げされながら
「あれから自分の非力さを痛感して、どうやったら強くなれるか考えて。自分に枷をつけて特訓する局長に習ってみたんです。でも俺は非力だから、枷の重みに耐えられなくて、全然特訓も長続きしなくて……」
そうしてある時気付いたという。何も背負っていないのに、身体が重い事に。
「もしかして俺は既に枷を背負ってるんじゃないかって」
ドシャア、と
「で、思いきって枷を捨てたらこうなりました」
「枷っていうかそれお前本体ィィ!!」
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ゆい(プロフ) - ありがとうございます! (2020年10月19日 20時) (レス) id: a2d1753a5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ゆいさん» すみません、実は続編は、まだ1話も書いていないんです。書き次第公開しますので、それをお待ち下さい。 (2020年10月19日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - すいません!心にもがパスワードがかかっているのですが教えていただけないでしょうか? (2020年10月19日 19時) (レス) id: a2d1753a5f (このIDを非表示/違反報告)
菜々子(プロフ) - ゆずさん» 楽しみにしてます!!!無理はなさらないでください(TT) (2020年10月18日 22時) (レス) id: 53a94e4f14 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 菜々子さん» ストレートなご感想ありがとうございます! いつ完結になるかまだ読めませんが、最後まで頑張ります!! (2020年10月18日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年8月25日 15時