バラガキ篇／墜ちるヘリコプターと崩れる廃ビル ページ23
佐々木は携帯電話を使い、今度は銀時ではなくヘリコプターの操縦士に電話をかける。
「撃ちなさい」
『しかし、これでは敵も味方も判別が！！』
「構いません。動く者は皆標的です」
それでは味方も撃ってしまう、と操縦士が途方に暮れていると、少しずつ煙が晴れてきた。
見えたのは黒い隊服。
「見えた、黒い隊服だ、撃て！！」
「待て！！」
段々と煙が晴れくると、その黒い隊服の連中が皆倒れているのが見えた。
「あっちもこっちも、真選組が既にやられています」
『動く者は？』
佐々木に問われて、注意深く目を凝らす。
「誰もっ……あっ、１人だけ！！ 味方です！！」
白い隊服の背中が見え、操縦士はそう佐々木に報告する。
が、振り返ったその男の顔は、
「土方！！」
土方は、ポイと何かをヘリコプターに向けて投げる。
「手榴弾だ！！ 退避しろォォォ、早く！！ 早く！！」
慌てて動いたヘリコプターが、ビルに激突する。
「脱出！！ 早くパラシュートを」なんて慌てるヘリコプターの操縦士達を尻目に、土方は落ちてきたそれをキャッチした。
そして懐から焼きそばパンも取り出す。
ニュル、と、手榴弾型のマヨネーズの容器からマヨネーズをそれにかけた。
彼の背後で、ヘリコプターが墜落した。
「どうやら決着ついたようだぜ。どうだい、俺達もそろそろ……」
「ついてない」
知恵空党の連中が居た廃ビルの隣の廃ビルで、大いに周りを壊しながら暴れているのは沖田と信女だった。
「人斬りは、一度定めた標的を斬るまでは鞘にはおさまらない。そうでしょう、人斬りさん」
「てめーは人斬りより、ビル斬りの方が向いてそうだぜ」
信女の攻撃をずっと避けていた沖田だが、立ち止まり、彼女との距離を一気に詰める。
「おさまる鞘がねーなら、てめーにおあつらえ向きなのを用意してやらァ」
そしてそのまま、沖田はいつの間にか、防御の構えを取る信女の後ろに居た。
「そうかしこまるな。俺の標的はお前じゃねーよ」
信女の背後の柱が斜めに斬られている。
「悪いが最後の一本は、俺がいただいた」
そのまま連鎖するように崩れていく廃ビルから、沖田は信女を残し涼しい顔で脱出した。
「てめーみてーなデケー刃には、そこがお似合いだぜ」
彼は廃ビルに背を向け、刀を鞘に収める。
「鞘ん中で眠りやがれい、なまくら」
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ゆず(プロフ) - りさん» ありがとうございます！ バラガキ篇大好きなので、ドンドン更新していけたらと思います。全力で頑張ります！ (2020年4月23日 19時) (
レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
り - 続編おめでとうございます！！これからも頑張ってください全力で応援してます！！ (2020年4月23日 19時) (レス) id: e466fb159c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2020年4月23日 12時
