わたの原

大人気ない ページ42

理不尽な怒りに、私は頬を膨らませる。




「銀ちゃんが勝手に勘違いしたんじゃん」


「いや、この状況見たら誰だって勘違いするって！ 男女とガキが仲良さげに歩いてんだぜ！？」


「えぇ……」




もしかして、奏多を総悟と私の子供だとでも勘違いしていたんだろうか。


色々無理があるだろ、と思う。


もし奏多が私の子供だとしたら、私は銀ちゃん達と別れた１年後には産んでいる事になる。その時私は８歳だ。




「シスコンか、このオッサン」


「誰がオッサンだ、このクソガキ！！」




シスコンは否定しない辺り流石である。




「銀ちゃん達はどーしたの？ 新八居ないけど」


「仕事だよ。新八は今日休み」




万事屋、休みなんてくれるんだ。意外。


……ああ、でも万事屋は週５で休みみたいなモンか。１回仕事入ると大変っぽいけど。




「お前、今失礼な事考えてない？」


「考えてない考えてない。総悟ー、そろそろ行くよー？」




ジト目の銀ちゃんから目線を外して、未だ神楽と掴み合いをしている総悟に声をかけた。




「Aに免じて今日はこの辺にしといてやるネ」


「典型的な雑魚発言じゃねーか」


「ンだと！？」


「煽んな煽んな」




飽きずに挑発をする総悟の頭をパンと叩く。


「ごめんね、この馬鹿が」と神楽に謝って、ヒラヒラ手を振った。




「じゃあまたね〜」


「今度は万事屋来てネ！ 一緒に遊ぶアル！」


「うん」




可愛い神楽に笑い返すと、奏多の左手と総悟の右腕を引っ張って２人と別れる。




「総悟、余計に煽んないでよ、神楽の事」


「向こうから突っかかってくるんでィ」


「歳上でしょ、アンタ」


「ムカつくもんはムカつくんだよ」


「それ大人気ないって言うんだよ知ってる？？」

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