わたの原

結局このコンビ ページ39

「……で、結局こーなるワケね」


「何でテメェと一緒にガキのお守りなんざしなきゃなんねーんでィ。１人でやれよ」


「無理に決まってんだろ、私の子供嫌い舐めんなよ」


「威張ってんじゃねーや」




副長と副長補佐が同時に１週間も仕事を休むのは色々問題だという事で、結局居ても居なくても同じな総悟と面倒をみる事になってしまった。


……頼りにならねー。




「で、ガキ。名前は？」




ここは総悟の部屋。


相変わらず整頓する気ゼロな室内を呆れながら見渡していれば、総悟がクソガキの前にしゃがんで目線を合わせながら問う。




「……九条(くじょう) 奏多(かなた)」


「奏多な。よし、取り敢えずお前はここで猫とでも戯れてろィ。俺ら寝るから」




そう言って私から太陽を取り上げ、奏多に渡す……って、いやいやいや。




「何言ってんのお前？ ダメだろ」




いつものアイマスクを付けようとするのを阻止し、頬を引っ張る。




「お前は馬鹿か？ 太陽と遊ばせとくのはともかく、寝るのはダメだろ。このお坊ちゃんに何かあったら、責任とらされんのは私達と近藤さんととっつぁんだよ」


「とっつぁんは別に良いだろ」


「良くねーよ」




一応私達を拾って侍にしてくれた恩人だかんな？ 一応。




「じゃあどうしろってんでィ」


「……街でもブラブラする？」




首を傾げて問えば、太陽を仕方なさそうに撫でていた奏多の目があからさまに輝く。


……失敗したかな、これ。

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