先輩からの忠告 ページ4
霧江の言葉に、全員が総悟を見た。
「……って言ってるけど、沖田くん」
「知りゃあしませんよ」
「とぼけるな、我が父、六角宗春の名、忘れたとは言わせない!!」
霧江の怒りと憎しみのこもった叫びにも総悟は動じず、無表情で言う。
「かなわねーな。斬った人間の
経験した事の無い人には分からないと思うけれど、それは正論だった。
何ヶ月か前裏切り者に言った記憶があるけれど、戦場じゃ一瞬の迷いも命とりになる。
目の前の人間を一瞬でも早く斬った人間が生き残る。
そんな場所で、まぎれ込んだ一般人と攘夷浪士を判別するなんて、至難の技だ。
……でもなぁ。なんか、違和感あるんだよなぁ。
「じゃあ何も覚えてねーし、否定をするつもりもねーと?」
「……1つだけ言えることは、俺が殺ったにせよそうでないにせよ、んな
その冷たい言葉に、一瞬目を瞠った霧江はガタッと立ち上がり、「貴様はァァァ!!」と総悟にとびかかろうとする。
「霧江さん、落ち着いて!!」
「貴様が父上を殺したんだァ!! 殺してやる!! 絶対殺してやる!!!」
泣きながら怒る霧江を他所に、総悟は「惜しいねェ」と言いながらソファから立ち上がる。
それに倣って、私も立った。
「女じゃなけりゃ
総悟は刀を肩に置くと、少しだけ刀身を見せて殺気を出した。
「次、俺の
霧江の襲撃で落としたケーキを「食べてくだせえ」と置いて帰ろうとする彼に、霧江が「許さない!!」と叫ぶ。
「絶対許さないんだから!! 殺してやる、絶対に父上の仇をとってやる!!」
A行くぞ〜なんて総悟はあくまでマイペースに言う。
霧江の叫びが届いていないかの様だった。
私は先を行く背中には〜いと返事をしてから、笑顔で振り返って霧江を見る。
「霧江」
へたり込みながらも顔を上げた彼女に、変わらない笑顔で言い放った。
「アンタじゃアイツは殺せないよ。気持ちだけじゃ勝てないの」
お邪魔しました〜とヒラヒラ手を振って、総悟を追った。
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ゆず(プロフ) - リヒトさん» すごく嬉しいです、ありがとうございます! 折角春休みなので、更新ドンドンしていこうと思います! (2020年3月16日 15時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
リヒト(プロフ) - もう好きすぎて1日で全部読んで何回も繰り返して読んでます!!笑これからも更新頑張ってください!!めっちゃ応援してます!! (2020年3月16日 15時) (レス) id: c6295103af (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - %さん» またコメントくださってありがとうございます! 受験なんかに負けず頑張ります! (2020年2月26日 15時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
% - 続編おめでとうございます!ゆずさんの紡ぐ物語は読んでいて心地良いです!カッコいいと可愛いを兼ね備える美女は正義ですね(謎理論) 更新頑張ってください!応援してます! (2020年2月26日 8時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - somariさん» ありがとうございます! 更新頑張ります! (2020年2月25日 16時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2020年2月21日 17時