桜庭家 ページ47
ピンポーン
…………
ピンポーン……ピンポンピンポンピンポン
「うるせェェェェ!!……って、Aか」
数週間振りに万事屋を訪れた私がいくらチャイムを鳴らしても、誰も出てこない。
それで連打していると、堪え切れなくなった様に銀ちゃんが怒鳴りながら出てきた。
「まあ、入れ。どうせこの間の続きだろ?今2人共居ねェから」
「うん」
銀ちゃんには私の事なんてお見通しらしい。
私はこの間訊けなかったお姉ちゃんの事についての質問に来たのだ。
客間に通されて、ソファに座る。
丸まって寝ている定春を目で愛でていると、「それで、」と銀ちゃんが口火を切った。
「何が訊きてェんだ?」
「……お姉ちゃんの事」
「ああ……今どうなってるのかか?」
「うん」
銀ちゃんは少し気まずそうな顔をする。
『待ってろ』という自分の言葉、忘れてはないらしい。
「お姉ちゃんがお嫁に来たのって、江戸だよね?いくら広いって言ったって、幕府のお偉いさんが住んでるエリアなんて限られてるんだし……」
「ああ。俺も、ここに落ち着いてからすぐに捜した。したら、見つかった」
「見つけたの!? じゃあ、何で取り戻してないの!」
ソファとソファの間の机にバンと手を付いて、身を乗り出す。
「……桜庭家って、知ってるか?」
「知らない」
「将軍の側近も出すような、由緒正しいデカい家だよ。四葉が嫁いだ先ってのが、そこだ」
「で?」
「ここからは噂なんだがな。その桜庭家っての、相当悪い事やってるみてェでよォ。天人ともかなりのコネがあるんだと。下手に手を出しゃあ、最悪四葉の実家や村まで被害を受ける。手を出したくても出せねェ状況だ」
ふーん……。
「チキってんだ?」
「あ?」
「1番辛いの、お姉ちゃんでしょ。さっさと救ってあげないと。何なら私がやる?」
「それはやめろ」
ふざけ半分でそう言ってみれば、ガチめなトーンで止められる。
「Aは、あの家に関わんな。嫌な予感がする」
「嫌な予感?」
「ああ。これも噂なんだけどな、もし本当だったら……」
へぇ。まあ、それなら。
「じゃあ、銀ちゃん。『待ってろ』って、ちゃんと果たしなよ」
「おう」
お姉ちゃん……元気かなぁ。
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ゆず - 亜水さん» 総悟のSが初めて発揮された回。私結構お気に入りです。 (2019年7月16日 20時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 本当だぁ!更新するの早いですね!凄い!あのカエルアニメで観たときマジで苛ついた!総悟あのまま首はねちゃえばいいのにって正直思いました。でもまあ最終的には焼かれてたんで良かったです♪ (2019年7月16日 20時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 亜水さん» ありがとうございます!このシリーズを更新するのは私自身楽しいので、ドンドンしていけたらと思います。 (2019年7月15日 22時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 桂優しいな〜再開場面、感動しました! (2019年7月15日 11時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - めっちゃ面白いです!読みやすかったです!更新頑張って下さいね次も観させていただきますので、よろしくお願いいたします! (2019年7月14日 17時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年7月10日 22時