喧嘩はグーでやるべし ページ15
こた君との再会から、1週間が経った。
トシと一緒に見廻りをしていると、橋に大勢の人が集まって、皆一様に下を眺めている。
「オイオイ、何の騒ぎだ」
「エエ、女とり合って決闘らしいでさァ」
「女だァ?」
「良いじゃん、そういう熱いの好きだよ私」
「お前は黙ってろ。くだらねェ、どこのバカが……あ」
トシと一緒に下を覗き込むと、そこに居たのは。
「近藤局長……」
近藤さんが、のびていた。
☆☆☆☆☆
「副長ォォォォ、Aさんんんん!!」
「局長が女にフラれたうえ、女を賭けた決闘で汚い手使われ負けたってホントかァァ!!」
次の日。
月一の定例会議があるためトシと会議室へ入ると、早々に隊士達が詰め寄ってきた。
それをトシは物ともせず、定位置に座って煙草を吸う。
「女にフラれるのはいつものことだが、喧嘩で負けたって信じられねーよ!!」
「銀髪の侍ってのは何者なんだよ!!」
あの後目を覚ました近藤さんに話を聞けば、そういう答えが返ってきたのだ。
隊士達がどこから情報を仕入れたのは気になるところだが、今は落ち着けるのが優先だろう。
『銀髪の侍』っていうのに引っかかるが、まさかそんな筈無いだろうと考えを消す。
「会議中にやかましーんだよ。あの近藤さんが負けるわけねーだろが」
「誰、くだらない噂たれ流してんのは」
「沖田隊長がスピーカーでふれ回ってたぜ!!」
お前かァァ!!
1人冷静にずずっとお茶を啜る総悟は、ニタァと笑う。
「俺は土方さんにききやした」
「トシィ、総悟に話したらこうなるに決まってんじゃん」
「コイツにしゃべった俺がバカだった……」
「なんだよ、結局アンタが火種じゃねェか!!」
「偉そうな顔してふざけんじゃないわよ!!」
「って事は何? マジなのあの噂!?」
「うるせェェェぁぁ!!」
遂にトシがキレた。
「会議中に私語した奴ァ切腹だ。俺が介錯してやる。山崎……お前からだ」
「え゛え゛え゛!? 俺……何もしゃべってな……」
「しゃべってんだろーが、現在進行形で」
「トシ、それは流石に理不尽だ。あとお前等急に黙ったな」
その時。
「ウィース。おお、いつになく白熱した会議だな。よ〜し、じゃあみんな、今日も元気に市中見廻りいこうか」
左頬を大きく腫らした近藤さんが入ってきた。
何というタイミング。
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ゆず - 亜水さん» 総悟のSが初めて発揮された回。私結構お気に入りです。 (2019年7月16日 20時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 本当だぁ!更新するの早いですね!凄い!あのカエルアニメで観たときマジで苛ついた!総悟あのまま首はねちゃえばいいのにって正直思いました。でもまあ最終的には焼かれてたんで良かったです♪ (2019年7月16日 20時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 亜水さん» ありがとうございます!このシリーズを更新するのは私自身楽しいので、ドンドンしていけたらと思います。 (2019年7月15日 22時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 桂優しいな〜再開場面、感動しました! (2019年7月15日 11時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - めっちゃ面白いです!読みやすかったです!更新頑張って下さいね次も観させていただきますので、よろしくお願いいたします! (2019年7月14日 17時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年7月10日 22時