まさかの成功 ページ2
「よしっ!」
兄達が残して行ってくれた食料や着物をまとめたら、いざ出発。
まずは、居場所探し。
☆☆☆☆☆
「おっ?」
その人が声を上げたのは、道の端に横たわる子供を見つけたからだった。
放っときゃ良いのに持ち前のお人好しを発揮して、ソイツを抱き起こす。
「……意識が無いな」
困った様に呟くと、ソイツを背負ってスタスタ歩き出す。
まあ、こうなる気はしていた。
俺は1つため息をつくと、その人の後に続いて行った。
☆☆☆☆☆
目を覚まして真っ先に飛び込んできたのは、見慣れない天井の木目だった。
戸惑いながら、パチ、パチと瞬きをしていると、少しずつ記憶が戻ってくる。
確か、暫く食事を抜いて倒れれば親切な人が助けてくれるのではという、ワンチャン勝負の賭けをしていた筈だ。
目を開けて映ったのが真っ青な空でなく木目で、身体を包んでいるのが花々でなく布団という事はつまり、賭けが成功したのだろうか。
「あら、目が覚めた?」
自分の悪運の強さに慄いていると、声が降ってきた。
どこかお姉ちゃんのものに似た、綺麗な声。
目を向けると、蘇芳色のそれと目が合った。
亜麻色の髪の、優しそうな女の人だった。
「ちょっと待っててね。今、近藤さん達を呼んでくるから」
そう言い残して、どこかへと行ってしまったその人。
私はポツリと呟いた。
「……いや、近藤さんって誰」
130人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年6月18日 22時