よろしい、ならば ページ30
「雪だ! 雪!」
朝目を覚まして1番に障子を開けると、そこは一面の銀世界。
足跡1つ無い綺麗な雪に、目を輝かせた。
「お兄、遊ぼ!」
「良いけど、お前その格好でいくつもりか?ぜってェ風邪引くだろ」
「……寒っ!」
「今気づいたのか。どんだけワクワクしてんだ」
呆れた様に言う晋助だが、目は暖かい。
が、慌てた様に半纏を引っ張り出してくるAを眺めていたその目は急に鋭くなる。
「銀時テメェ、何やってんだ」
「何って、見りゃ分かんだろ。雪だるま作ってんだよ」
「それのどこが雪だるまだ!」
銀時の器用さが、無駄に発揮されていた。
目下建造中のそれは、子供には見せたくないと100人中100人の母親が答えるような代物で、やたらスタイルが良い。
晋助も多数派の内だ。
やっと装備が完成したらしく、さあ遊ぼう!と庭に降りようとするAを、ガシッと掴んで引き止めた。
「何、お兄」
「Aはちょっと部屋に居ろ。10分もしねェで遊ぶから」
「えー? 分かった〜」
若干不満そうに、少し不思議そうに、Aは素直に頷いた。
トコトコとコタツのある部屋に向かう後ろ姿を見送ってから、今までのやり取りをまるで気にせずに建造を続けるバカに目を向けた。
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ゆず(プロフ) - 緋澄さん» 1話目ができ次第、公開させていただくつもりです (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 時雨さん» 申し訳ありません、実は、続編は準備しただけでまだ1話も書いていないんです・・・! (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
緋澄 - 続編を読みたいのでパスワードを教えて下さい (2019年6月19日 14時) (レス) id: d02144b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 続編が、読みたいのでパスワードを教えてください。 (2019年6月18日 23時) (レス) id: bfac637d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年4月5日 20時