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その人 ページ2

「・・・・・・」




常人ならば耐えられない程の悪臭漂うそこで、少女は1人、空を見上げていた。


ただ、ぼーっと。


鳥を見るわけでも雲を見つめるわけでもなく、ただただ、青く広い空を見ていた。




「こんな所で、何をしているんですか?」


「!?」




不意に聞こえたその声に、少女は肩を揺らす。


バッと振り向いて、声の主を睨みつけた。


誰かに声をかけられたのなんて数ヶ月ぶりで、その数ヶ月前の会話も、決して良いものなどでは無かったから。


見た事の無いその男は、鋭く尖った刀の様な眼差しを物ともせず、ゆっくりと近付いてきた。





警戒している少女のすぐ前にしゃがみ込み、目線を合わせると、手を伸ばしてくる。


思わず瞑った目は、すぐに開かれる事になった。


頭から伝わる優しい手の動きに、戸惑わずにはいられなかった。




「親や、友達は居ますか?」




そんなもの、物心ついた時から居なかった。


「居ない」と言えば良いはずなのに、人との会話に慣れていない少女の口は、少しも動かない。


男はそんな少女を見ると、脚を伸ばして立ち上がった。


行くのか、と思った。


何も喋らない自分に愛想を尽かして、どこかへ立ち去るのだろうと。


特に嫌だとも寂しいとも思わなかった。


行くなら行けばいいと、そう思った。





しかし、男は立ち去らなかった。手を差し出して、こう言った。




「私と一緒に来ませんか」




普通なら、その手を振り払うのだと思う。


見ず知らずの他人について行くなんて、どうかしている。


でも少女は、少し躊躇した後、その手を掴んだ。


この人にならついて行っても大丈夫だと、心で誰かが言っている気がした。

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ゆず(プロフ) - 緋澄さん» 1話目ができ次第、公開させていただくつもりです (6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 時雨さん» 申し訳ありません、実は、続編は準備しただけでまだ1話も書いていないんです・・・! (6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
緋澄 - 続編を読みたいのでパスワードを教えて下さい (6月19日 14時) (レス) id: d02144b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 続編が、読みたいのでパスワードを教えてください。 (6月18日 23時) (レス) id: bfac637d1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年4月5日 20時

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