キミがイイなら2(tkarエンド)

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新曲のレコーディングがあるため、重い体を引きずって起きた。カーテンを開けると、高木のことを考えすぎてぐしゃぐしゃの頭の中とは対称的に、本日は晴天なり、ってやつだ。


「おはようございまーす」

スタジオに入ると、山田がもう来ていた。

「おはよっ大ちゃん、今日2人だって」

「あ、そうなの？山田とかよー」

「こっちのセリフだわ！」


いつものように冗談を交わし、いのちゃんや高木と2人きりじゃなくてよかった、とホッと息をついた。


レコーディングスタジオはワクワクする。
もともと歌うのも聴くのも好きだから、この部屋独特のどっぷりと音楽に浸かれる雰囲気が好きだ。


リュックを下ろして、座り込んで機材を眺めていると


「大ちゃんさぁ、その首、どうしたの？」


「首？」


山田にトントン、と首をつつかれた。


「…もしかして、キスマーク？」


え、今、なんて…


ほら、そう言って山田は持っていた手鏡に移してくれる。


そうだ、俺昨日いのちゃんに…


「やだなっ。蚊に刺されたとこだよ！
痒いんだよな〜」


なんだぁ、山田はそう言って笑う。



「なぁ山田、これ、昨日のレッスンの時からあったっけ？」


「昨日は気づかなかったけど…
あ、大ちゃんずっと首にタオルかけてたじゃん。それで気づかなかったのかも」


誤解されるし、スタッフさんに見られない方がいいかもね。そう言って山田は俺のフェイスタオルをうまく巻いてくれた。


俺、全然気づかなかった…


高木は気づいたかな？
いや、気づいたなら、言ってくれるよな…

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