気付かされたこと7 ページ34
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「この前言ってくれたじゃないですか。ドギョム氏が私みたいに正面からぶつかれたらいいのにって
あの時私何も言えなかった。少しずつ止まった時間を進めようと思ってガムシャラにみなさんと仕事をしてきたけれど、彼の命日が近づくにつれ、まだ現実を受け止め切れていない自分に気がついて…」
そこまで捲し立てるかのように話した私を、エスクプス氏はまた包み込むかのように抱きしめてくれた。
背中をトントンと優しく叩きながら、まるで子供をあやすかのように。
「そんなに急いで壁を乗り越えようとしないで。1人でどうにかしようと思わないで。」
「……」
「ゆっくりでいい、そして、何より僕たちがいるじゃないですか。」
そう言って抱きしめていてくれた腕を離し、私の顔を覗き込む。
「僕の前では何を言ってもいいから、言葉にして。僕には理解できないことかもしれないけど、分かち合いたいから」
エスクプス氏の言葉があまりにも暖かくてまた別の涙が溢れてくる。
「エスクプス氏…」
「スンチョル…
今日だけでいいからスンチョルって呼んで。」
「スンチョル…ありがとう」
そう言うと満足げに微笑む彼。
「その写真みてもいい?」
そう言って机に伏せられた写真立てを指差してくる。
「彼、結構イケメンだったの。優秀だったしモテて困ってた」
そうおどけて話ながらスンチョルに写真を見せ、彼の話を続ける。
この日、私たちは朝方まで話し続けた。
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キンモクセイ(プロフ) - なみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!ちょっと更新が停滞していますががんばって書きます♪ (2019年12月15日 20時) (レス) id: be042a805d (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - はじめまして(^^)感動してウルウルしながら読みました。大好きな作品のひとつになりました! (2019年12月15日 14時) (レス) id: ea29a86258 (このIDを非表示/違反報告)
キンモクセイ(プロフ) - ちこなさん» 再度コメントありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです!気まぐれ更新ですが、これからもお付き合い頂けると幸いです♪ (2019年12月3日 19時) (レス) id: be042a805d (このIDを非表示/違反報告)
ちこな(プロフ) - 長編の予感嬉しいです!主とメンバーのやり取りが可愛くて何度も読み返したくなるお話しだと思います。これからも更新楽しみにしております (2019年12月3日 16時) (レス) id: 007cf2a6d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ボッチャ | 作成日時:2019年12月3日 15時