暗い海の底4 ページ20
‘
「飲み込まれる?」
「そうです、僕もそうでした。心のバランスが取れなくなって…だから自分なりに趣味を見つけて心の落ち着く時間を作るようにしているんです」
そう言って座りながら私の方を見て話しかけてくる彼。
「Aさんも少しだけ、今だけでいいので音楽から離れましょう」
そう言いながら持ってきた紙袋から中身を出すディエイト氏。
「この事ウジヒョンには内緒で」
そう悪戯ぽいそうな表情を浮かべると、持参したのであろうコップ2つに赤ワインを注ぐ彼。
そう、彼の言った「アレ」とはワインだった。
前回ワインの話で盛り上がり、一度一緒に飲もうと話をしていたのだ。
丁寧にワインの説明をしてくれるディエイト氏。
程なくして、携帯が鳴る。
「あ、きた」そう言って作業室を出ていく彼。
戻ってきた時、手には出前の袋が下がっていた。
「まずは、食べて飲んで、気分転換しましょう。付き合いますよ、ワイン」
そう言いながらグラスを掲げるディエイト氏。
「「乾杯」」
グラスがカンとぶつかる音がした。
「ありがとうございます…、いつも気を使ってくださって」
申し訳なさそうに言うと
「最近のAさんを見ていると以前の自分を見ているような気がして、ほっとけなかったんです」
「昔のディエイト氏ですか?」
ワインを飲む手を止めて、彼の方へと視線を注ぐ。
‘
442人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キンモクセイ(プロフ) - なみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!ちょっと更新が停滞していますががんばって書きます♪ (2019年12月15日 20時) (レス) id: be042a805d (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - はじめまして(^^)感動してウルウルしながら読みました。大好きな作品のひとつになりました! (2019年12月15日 14時) (レス) id: ea29a86258 (このIDを非表示/違反報告)
キンモクセイ(プロフ) - ちこなさん» 再度コメントありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです!気まぐれ更新ですが、これからもお付き合い頂けると幸いです♪ (2019年12月3日 19時) (レス) id: be042a805d (このIDを非表示/違反報告)
ちこな(プロフ) - 長編の予感嬉しいです!主とメンバーのやり取りが可愛くて何度も読み返したくなるお話しだと思います。これからも更新楽しみにしております (2019年12月3日 16時) (レス) id: 007cf2a6d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ボッチャ | 作成日時:2019年12月3日 15時