お仕え ３ ページ10
Aは時折合理的な考え方をしない
そこも又彼女の変わった所である。
「キューッ」
「おっと··っ」
マレウスは待ちきれんばかりにリリアの腕から抜け出し
まだ十分に広げられない翼を羽ばたかせながら
Aに抱っこをせがむ
「どうやらわしよりもお主の方がマレウスに好かれているのう
Aや、ずるいぞ」
眉を立てて頬を膨らますリリアは腕を組む
『そんな事はないよ、
私はリリアが好きだから』
話が噛み合っていない。
それでも良いと彼は思っている
「·····くふふ、
返信になっておらんがわしもじゃ」
この意味は決して彼女の心には届かないものだというのを、少年は分かっている
本来、こんな事にはなるべきではなかったのだ
Aの"仕事"とやら言うものは、
あの方からかけられた
とある心の擦れ違いで起きた悲しい物語である───が、これは又
····の時に話そう。
解く事は、出来ないに等しい条件。
─────一度死ぬ事。
妖精は死ぬと生き返る事は聞いたことのないものだ。
命は一度きりで、
例えどんなに長生きであれ、
人間にしろ
人魚にしろ
獣人にしろ
妖精にしろ
息を引き取った瞬間からこの世とは違うものに変わる。
リリアは常に変わらない笑みを口元に掛けている
心の揺らぎを一切見せずに
自分に言い聞かせる
「Aは居るだけで充分だと思え
·····欲張るな」
一方この頃には
Aはマレウスを抱えて王宮の中を散歩していた。
リリアを残して先に部屋から出ていってしまったのである
何にせよ今の彼女はマレウス王子に集中していたのだ
召し使いたちも後に続いて付いてくる
王子の世話とAに付き従う者たちで
優しい人間たちもいれば温和な妖精たちも混ざっている
「キュウゥ─」
『なあに、次は庭に行きたいの？』
マレウスはまだ言葉が分からなく、
ただ単にAから離れたくなかっただけで甘えているのだ
エメラルドの瞳で彼女を見上げて黒い小さな前足で軽く手を摘まむ
少しひんやりした感触だ。
まだ硬くなく柔らかい鱗で、人間の赤子とはまるで違うように感じるが可愛さは変わらなかった。
『えへへ、マレウス可愛い』
そう顔を綻ぶ彼女を召し使いたちは見て心が暖まるのだった。
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リン - リリアちゃんカワイイ❤️続きが楽しみです (2022年11月24日 22時) (
レス) id: c3aa6be969 (このIDを非表示/違反報告)
晏昊 - はちゃめちゃドタイプ過ぎて……五回ぐらい見てしまった😅続きがめっちゃ気になるｯ!!!楽しみにしてます!!! (2022年9月20日 0時) (レス) id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
敦 - え？好きです！続きが楽しみです！！頑張ってください！ (2021年7月27日 22時) (レス) id: b6ccf69655 (このIDを非表示/違反報告)
双葉 - リリアちゃんとの絡み大好きです！ (2021年6月19日 15時) (レス) id: 159c5aae09 (このIDを非表示/違反報告)
双葉 - 続きが楽しみです。気長に待ってます (2021年6月11日 21時) (レス) id: 159c5aae09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寝巻き | 作成日時：2021年3月5日 19時
