お仕え 13 ページ22
『お姉さん、大丈夫？』
側に駆け寄りお腹の上に置いてある左手を取り
脈搏を測ると
案の定出産するのだと分かった
下腹部と腰の痛みで表情を歪める娘は顔をそっぽ向けるだけで何も話せなかった
血の色は既に暗くに変色しているのだから相当時間が経った筈
このままにしておくのはまずいと思ったAはポケットから飴を一個取り出した
『口、あけて。
痛くなくなるからね
あなたと赤ちゃんを助けてあげる』
道端で出会った面識もない若い少女のいいなりになるのは普段、信じがたい事だが
今の状況下に置いたら娘はAに頼るしかなかった。
娘は弱々しく口を開けた
彼女に飴玉を含ませてから、
少女は魔法で彼女を眠らせた。
『───さて
少しややこしい事になるけど、やろっと』
マントを脱ぎ、
娘の足を上げてそれを下に敷いた。
腕を捲りあげ、
耳元の羽毛の飾りを取ると
少女はそれを握り、
──に向かって大きく振り上げた
──────────
元気な赤子の泣き声が薄暗かった森に活気をもたらした。
少女はハンカチで娘の口元の"血痕"を拭い取り、自分の服から千切った布切れで巻いた子を静かに彼女の懐に置く。
先程まで泣きわめいていた赤子はAからの額のキスですっかりと大人しくなっていた
『これで、私の役目は
おしまい。
あなたは
そろそろ目が覚めて一人で村迄帰れるようになるだろう
おかあさんになったね、
おめでとう。』
まだ昏睡状態の娘の顔色は次第に血色を取り戻していた。
Aは震える手で彼女の頬を優しくなでてから
そのまま城の方に向かって帰っていった。
─────────
普段身軽で上がれた階段が
今は少し重く感じた。
身体中が寒い。
目の前がぼやける。
そう思いながら少女はマレウスとリリアの居る部屋のドアに手をかけた。
『ただいま』
心から発する笑顔を二人に見せる
マレウスはリリアの腕の中でうとうとしていたが、
Aを見た時にはキャッキャと喜んで眠気が全て飛んでいった。
しかしリリアは彼女を見た時には瞳孔を収縮させ、
マレウスをゆっくり降ろしてAに駆け寄っていく。
「どうしたのじゃ、その血塗れた服は。
───ッ！
腕を見せてみよ」
隠していた腕は少し強引に引き出され、
彼が目にしたのは大きな裂け口からまだポタポタと鮮紅の体液が滴るものだった。
続く (更新停止中)
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リン - リリアちゃんカワイイ❤️続きが楽しみです (2022年11月24日 22時) (
レス) id: c3aa6be969 (このIDを非表示/違反報告)
晏昊 - はちゃめちゃドタイプ過ぎて……五回ぐらい見てしまった😅続きがめっちゃ気になるｯ!!!楽しみにしてます!!! (2022年9月20日 0時) (レス) id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
敦 - え？好きです！続きが楽しみです！！頑張ってください！ (2021年7月27日 22時) (レス) id: b6ccf69655 (このIDを非表示/違反報告)
双葉 - リリアちゃんとの絡み大好きです！ (2021年6月19日 15時) (レス) id: 159c5aae09 (このIDを非表示/違反報告)
双葉 - 続きが楽しみです。気長に待ってます (2021年6月11日 21時) (レス) id: 159c5aae09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寝巻き | 作成日時：2021年3月5日 19時
