新しい命 ページ3
『久しぶり、リリアちゃん』
「待っておったぞ。
長い間戻って来んからわしは退屈しておった」
リリア·ヴァンルージュ
Aは彼とは長い付き合いだ。
小さい頃から一緒に育ってきた幼馴染みと呼んでもいいだろう
彼は腕を組んで側の椅子に座って何かを待っていたようだ。
Aが入って来たのを彼は嬉しそうに微笑んで立ち上がる
暗くて静かな部屋は生気がないほど静かだ。
「..A、ちとこっちに来い」
紫色に光る綺麗な瞳がAを愛しそうに見つめる、そして彼は両腕を広げた
『うん、えへへ』
Aはふわりと笑って彼に近寄り、
きゅう、と自分より少し低い華奢の体を抱き締める。
白い羽の耳飾りは彼の頬を
彼女の身から放つ異香は彼の鼻腔も擽る
『....ただいま、リリア』
「お帰り、A」
いつもの挨拶だ。
長旅をしてこの地に帰って来たらこうするのがいつもの事であった
....Aはよく茨の谷を出ていてよく別の国にふらついてしまうが。
リリアもよく外の世界に遊びにいったものだが、それが最近はよく茨の谷に留まっているのをAは不思議に思っていた。
『リリア、どうして最近は遊びに行かなくなったの？』
「それがのう....そろそろなのじゃ」
『そろそろって、なにが？』
言い終わったばかりに、更に奥の部屋では小さいざわめきが起こり始めた
彼はAの背中に回していた腕を下ろし、
彼女の手を取ってその部屋に向かって歩いていく。
「この茨の谷の王子が
もうじき生まれるんじゃ」
『おう...じ？』
長年もこの国は王と王妃が治めてきた
なのに王子は全然産まれなかった。
だが
今
茨の谷に新しい命が誕生するのを聞いて
彼女は舞い上がるほど嬉しかった。
扉を開けると、
多くの使用人たちがあわてながら忙しそうに支度などの準備をしていた。
『久しぶりだね、
王様
王妃様』
「Aか、戻って来たのか」
「会いたかったわ。もうすぐ私の子が産まれるのよ」
王冠をつけた男女は優しく微笑み、
彼女を目の前の小さなベッドへと連れていく。
そこには銀色に光り、小さなひびの入った卵が乗っていた。
ひびからはうす緑の粘液がかすかに漏れていて、卵の壁を伝って敷いてあった布にシミを残している。
『おうじ様なの？これが』
小さな声で彼女は側のリリアに聞いた。
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リン - リリアちゃんカワイイ❤️続きが楽しみです (2022年11月24日 22時) (
レス) id: c3aa6be969 (このIDを非表示/違反報告)
晏昊 - はちゃめちゃドタイプ過ぎて……五回ぐらい見てしまった😅続きがめっちゃ気になるｯ!!!楽しみにしてます!!! (2022年9月20日 0時) (レス) id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
敦 - え？好きです！続きが楽しみです！！頑張ってください！ (2021年7月27日 22時) (レス) id: b6ccf69655 (このIDを非表示/違反報告)
双葉 - リリアちゃんとの絡み大好きです！ (2021年6月19日 15時) (レス) id: 159c5aae09 (このIDを非表示/違反報告)
双葉 - 続きが楽しみです。気長に待ってます (2021年6月11日 21時) (レス) id: 159c5aae09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寝巻き | 作成日時：2021年3月5日 19時
