お仕え ７ ページ15
『王様！
王妃様！
見てっ』
バタンと扉が乱暴に開かれて
息を弾ませたAが入ってくる。
臣下から呈上された文献を処理している最中に突撃してきたものだから
普段冷静沈着の王もびっくりして椅子から飛び上がり、
同時に
机に置いてあった紅茶のティーカップもガチャン、と跳ね上がった
「なんだ、Aか。
今度私を驚かす真似はやめてくれないか」
苦笑いをしながら少女を見る王。
こんな事をしていいのは
王妃やリリアやAくらいしか許されていないだろう。
何せAも、
王や王妃を見守ってきた妖精なのだ
その後彼女は城を出てどこかへ旅をしに行ったのだが····
又戻って自分たちの顔を見に来たり
その宝石のような飴を貰ったりしていた。
彼らの事を心から
敬愛しているのだ。
王の視線はやがて彼女の腕の中に座って髪を遊んでいる子供に向けた。
そして喜色を顔に浮かべて
声を震わせる
「話は先程聞いたが
マレウスがもう姿を変えることができるとは
···、
父である私にも抱かせてくれ」
普段あまり笑顔を見せない
冷酷な表情である王は
今や
別人と言って良いほど穏やかな表情だ。
王子を彼に渡して
Aは、ほっと
『····よかった、遅れていない··
あっ、王妃様は？』
愛しい息子を胸にして夢中になっている王は王妃の事をすっかり忘れていた。
「そんなの、知らない。」
『····え、自分の大切な奥さんじゃなかったの？』
愛妻家である筈の王は
どこへ行ってしまわれたのか。
今はただマレウスを優先にする王に少し面食らう少女であった
「····話は聞かせて貰ったわ。
私の事、知らないのだって？
貴方、雷の餌食になりたいのかしら。」
コツコツとハイヒールの音を鳴らしながら部屋へ優雅に入って来た王妃は黒い笑みを浮かべて
固まる王を一瞥したのであった。
「待たれよ、喧嘩はよせい。
国の父と母に値するお主らは睦しくやっていかんと大変なことになるんじゃ」
いつの間にか
天上からは少年姿の妖精がぶら下がり、
王と王妃の仲裁に入っていた。
「だーうっ」
この時のマレウスは張り詰めた空気の中、一人だけ楽しそうに王の角を遊んでいた。
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リン - リリアちゃんカワイイ❤️続きが楽しみです (2022年11月24日 22時) (
レス) id: c3aa6be969 (このIDを非表示/違反報告)
晏昊 - はちゃめちゃドタイプ過ぎて……五回ぐらい見てしまった😅続きがめっちゃ気になるｯ!!!楽しみにしてます!!! (2022年9月20日 0時) (レス) id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
敦 - え？好きです！続きが楽しみです！！頑張ってください！ (2021年7月27日 22時) (レス) id: b6ccf69655 (このIDを非表示/違反報告)
双葉 - リリアちゃんとの絡み大好きです！ (2021年6月19日 15時) (レス) id: 159c5aae09 (このIDを非表示/違反報告)
双葉 - 続きが楽しみです。気長に待ってます (2021年6月11日 21時) (レス) id: 159c5aae09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寝巻き | 作成日時：2021年3月5日 19時
