異食癖【スカラビア寮】

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新たな大陸を発見したウキウキの感覚で私は寮内の探索を続けていた。






本来の目的は鏡の間に行く事なんだが...









ごめん(←
全然見つからない。






どうやらこの世界では私は方向音痴らしい。
色んなドアを開けて見たけど、全然違う所ばかり。









　


更に動き回るのは体力消耗するから、私はしぶしぶ退却して、客室に戻って皆の帰りを待機することに。









『困った.....


お腹空いた....』









変に大きな音を鳴らすお腹を抱えて、私はただボーッとしていた。

元の世界で授業中、良くお腹グーグーしていたなぁ

良く空いてしまうんだ。

気分によれば一度に三十個の肉まん食べていて結構驚かれた。



自分の消化器官、皆と違う気がするし









あの時は大食いチャレンジで勝って代金チャラにしてくれて得だったんだが


今はこんな事ないだろうな。



何か食べたい。









マドルが！！ない！！

何も買えないし..









誰か早く帰って来てくれ.....

ひもじい思いはもうしたくない...

お母さん...









　






窓の外の太陽はどんどん西に寄って来て、燃えるような茜色になっていく。
日差しが温かく射して来て、心地いい。





ポケットには金色のマジカルペンが挿してあって、なんだかロリポップに見えてくる。
パイン味の。





　


【.....何か食べたい】




【....何でもいいから食べなさい】


誰かが私の頭の中で喋っている。









『...コレいいよね？』




まるで自分の声じゃない声が喉から出てきた。


手に持っているマジカルペンを口に入れようとした。







はっ


私何をしているんだ？？


変な物食ったらお腹ピーピーなるって

マジカルペン食ってどうすんだ！


　

『...ぁ、あ"』

私、変だ。


　


何か変。



おかしい。








コンコン


「...入るぞ」
　



　ドアが開いて入ってきたのはジャミルだった。



彼は私を見た途端、驚愕な表情を見せた。


「何しているんだ、A....
それ、マジカルペンか...?」


『えっ、』



はっと我にかえって自分のペンを見てみると、
目を疑った。


ペンの金色の石が変に欠けていること、

そして口元から涎が垂れていたこと。





　







地面に、小さい金色の欠片が、少し散らばってる

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