呪いの王の 捌 ページ20
宿儺side
青年「お、お前が産まれてからこの20年間っ、こ、この村には化け物がはびこりだした!俺の妹はっ、母はっ、お前が産まれた翌年から不治の病にかかって去年の冬に死んだ!お前が産まれてきたからッ!」
俺を刺してきたやつはごちゃごちゃと御託しか並べていない。なんだそのふざけた理由は。
振り向こうとしたが痛みで立っていられなくなり、膝から地面に崩れ落ちる。その拍子に刃が抜けたものだから腹から大量の血が流れ落ち、地面に赤い溜まりを作った。
出血している部分を押さえたが止まるとは思えない。
刀を持ったガキが構えていた。そのまま振り下ろすつもりだろう。
...あっけないものだな、命とは。こんなものなのか、人生というものは。
諦めにも似た感情で瞼を下ろす。真っ暗な視界の中で目の前にはいない筈のAの顔が見えた気がした。
刀が振り下ろされる気配がした。
辺りに鮮血が舞う。だが、俺に痛みはなかった。
目を開けると見知った服を着た女。他の誰でもない姉だった。
貴『す、くな...だぃ、じょ、ぶ...?』
宿「姉、さん...?」
傾いた体は重力に従って俺の方へと倒れてきた。咄嗟に手を伸ばし抱きとめる。斜めに走った傷から大量の血が流れていた。
男「あ、貴女は、呪術師の...」
頭が真っ白になった。回りの音が聞こえない。震える腕の中でAは俺の名を呼んだ。
貴『宿、儺...ごめ、ん、ね...私が...ちゃんと、しなきゃなの、に...』
溢れる血は止まらない。血溜まりが地面に広がり続ける。
宿「ッ喋るな!そんなことはどうでもいい!は、早くッ医者にッ!」
Aを抱えようとしたが腹の痛みで立てることすら出来なかった。そんな俺の顔にAは手を伸ばし、優しく撫でてきた。
貴『もう、いいの、私は...宿儺がぶじなら、それで、...宿儺...私はあなたの姉で、本当に、よかっ......』
滑り落ちていく手が妙にゆっくりとして見えた。
宿「...ねえさん...うそ、だろう...?」
Aは答えなかった。ただ静かだった。
青年「ぁ、...お、俺は悪くないッ!俺はその忌み子を殺そうとしただけだ!庇ったその呪術師が悪いんじゃないか!」
店「そんなことはどうでもいいっ!早くソイツにも止めをさ...」
瞬間、店主の首が跳んだ。
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メ―(プロフ) - えむえむさん» シスコンネタお好きでしたか!更新頑張ります!ありがとうございます〜!! (2020年12月11日 17時) (レス) id: 3b41dff6e6 (このIDを非表示/違反報告)
えむえむ(プロフ) - 私の大好物のシスコンネタッッッッッ( *´艸`)ニヤケが止まらんです!!!更新頑張ってくださいね(^з^)-☆応援してますよ( ≧∀≦) (2020年12月11日 17時) (レス) id: 25b3ed223a (このIDを非表示/違反報告)
メ―(プロフ) - #菰#夜桜#炎柱#鬼滅オタクさん» ありがとうございます!!夢主気に入って貰えて嬉しいです!更新頑張ります!! (2020年10月30日 7時) (レス) id: 3b41dff6e6 (このIDを非表示/違反報告)
#菰#夜桜#炎柱#鬼滅オタク - すっごく面白いです!夢主の反応が特に面白いです!更新頑張ってくださいね♪ (2020年10月29日 18時) (レス) id: 0f70522e1e (このIDを非表示/違反報告)
メ―(プロフ) - ま〜しろさん» ありがとうございます!最近忙しくて更新遅いですけど頑張ります! (2020年9月20日 19時) (レス) id: 3b41dff6e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メ― | 作成日時:2020年9月12日 20時