乾いた花も花束に足り得る。 (ページ22)

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許してほしい？【SS】【ifでは？】ページ22

フリック、フリック、確定。そうして言葉は打たれていく。

彼女のことは大切だ。だからこそ、許せない。
それを彼女は望んでない？報復すれば同じ？わかっている、これはぼくのエゴでしかないと。

だからどうした。それが抑止力になると思っているのであれば大間違いだ。

許してやるものか。

彼女に怒りはある。隠していたこと、巻き込まないようにしていたこと、
そんなに自分が頼りなかったのか。

……今は気にしないようにしよう。

学校に行く時間になって、ぼくは家を後にした。

「こんにちは。話があるんだけど……いいかな」

「あ、宵崎さんじゃん。えいいよー」

主犯格の女に声をかける。多分この人とは本当なら関わることはそうそうないんだろうな、と思った。

「……それで、話って何？こんなとこまで来て……」

昼休み、人目のつかない場所まで移動する。そしてぼくは切り出す。

「あぁ、ごめん」

「＿＿つゆをいじめたのは君だよね」

簡潔に、やることを済ませよう。

「は？……え、わかんないんだけど。勘違いじゃない？」

「そう言うと思った。本人から聞いてるんだよね」

正確には数ヶ月前に見た顔だけど。

「いやいや違うし！あたしたちは遊んでただけだって」

「よく聞くよそれ。陰口を言ったり怪我させたりが遊びだって？」

「それなら君が同じことされても許せるってことだよね」

右手で拳を作って見せる。

「………………」

「理由は何？」

「……ウザかったから……」

「何」

「ウザかったからだよ！あいつだけ部活で期待されてて、先生にもチヤホヤされてて……！」

そう、女は語る。

「……」

「っていうかさ〜、あの子がいじめられたからって逆恨みだよね？頼まれた訳じゃないよね」

「あーあ、ムカつくこと蒸し返されてやだわ。これはストレス発散しないと」

「そう。それじゃあ一緒に遊ぼうか」

「え、マジ？」

「うん。サイコロを振って奇数が出たら右手の爪、偶数が出たら左手の爪を剥がすんだ。」

「勿論＿＿君の爪だよ」

わたしのその言葉を聞いて、女は酷く狼狽した顔を見せた。