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健人side
風磨の入院からすぐ、ソロコンの準備と少クラのリハとかでとにかく忙しくて
病院には全然行けなかった
周りには大丈夫ですか？って聞かれるけど、大丈夫なわけない…
結局、初めてお見舞いに行けたのは手術の二三日前だった
部屋に入ると虚ろな目で天井を見上げる風磨が見えた
健「風磨？」
風「中島………おせーよ」
明らかに顔色は悪いし、酸素マスクで浅い息をしてる
隣では風磨の心音を機械がリズム良く鳴らしている
「昨日ちょっと軽い発作起きてしまって、熱も高めなんですよね……」
隣から来た看護師さんがそう言って帰っていった
健「ご飯は？食べてる？」
風「うん……」
健「これ、ご飯食べれなかった時のために買ってきたから冷蔵庫入れとくね」
熱出てもゼリーなら食べる風磨の為に大量のゼリーを買ってきた
風「昨日……聡とマリウスが来た」
健「え、来たの？」
風「それ、マリウス」
風磨の指さす方にはいけられた薔薇の花が花びらを落としていた
健「薔薇なんてロマンチックだな」
風「お前が変なこと教えるからだろ」
健「俺のせいじゃないわ！」
薄く笑った風磨はやっぱり年下で、手術やこれからのことを全部抱え込んでるように見えた
風「中島も忙しいんでしょ、手術もうすぐだしあんま来なくていいよ」
健「時間またあったら来るから、なんかあったら電話しろよ？」
風「はいはい」
あんまり来なくていいって言うのが風磨なりの遠回りな優しさだって良くわかる
風磨の為にもソロコン絶対成功させなきゃな
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作者名：時生
| 作成日時：2016年4月6日 1時
