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【七話】 ページ7

煩い教室で、
夜乃は静かに本を読んでいた。

太宰に次に勧める本を考えていると、
見知った声が聞こえた。


「夜乃さん?」


「きゃぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!」


「太宰治!?あの美男子ランキング1位の!」


「本物だわ!!」


彼によってより教室が騒がしくなった。
黄色い声は無視して、太宰に近づく。


「どうしたんだ?2年と3年の棟は別なんだから、


わざわざくるような事があったのか?」


「大したことではないんですが。」


周りの女子が騒いでいるが、
夜乃は全く気にせず太宰を見上げた。
自分より少しだけ背が高い太宰を
見上げる形になるのが少し嫌だったりする。

そんなことはおくびにも出さないが。


「栞?」


「えぇ。」


見慣れたその栞は、
太宰と知り合うきっかけの栞だった。


「必要かと。」


夜乃は少し黙ってから、太宰を見た。

春にもかかわらず少し暑い。
恐らくは周りの人間の熱気だろうが、
温度はほかの教室よりも高いだろう。

夜乃がそんなことを考えている間、
太宰はじっと黙っていた。


「あげるよ。」


「え?」


中々見られない後輩の驚愕した顔に、
夜乃はくすくすと笑った。


「だって君と会えたんだ。


もう、要らないだろう?」


そう云うと、太宰は少し言葉に詰まったようだった。


「わかり、ました。」


夜乃を見ずに、女子を引き連れた青年は
教室に戻った。

恐らく夜乃の教室に帰っても
問い詰められてめんどくさいと云うことは
目に見えて分かっていた。

夜乃はため息をこぼすと、中庭へ向かった。

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やっさん(プロフ) - にーさんのイメログの、人物夜及さん、だったのですね。それにしても、夜及さんの前に、あの、太宰治さんが手玉にとられるとは(苦笑)。ハッピーエンドで、よかったです。 (2020年4月27日 21時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
璃子(プロフ) - 月桂樹さん» 相方の代わりに私がお返事させていただきます。いい作品とのお言葉、ありがとうございます。それはCSSの関係でして、本当は後ろに背景が表示されます。読み込みの問題かと思われますので、ご了承ください。 (2019年2月7日 17時) (レス) id: 8aacdcc603 (このIDを非表示/違反報告)
月桂樹(プロフ) - いつも読まさせて頂いております!とても良い作品でお気に入り登録させて戴きました!少し何ですが、白が背景なのでどうしても説明文?が黄色なので見えづらいです…。長文失礼しましたm(_ _)m (2019年2月7日 11時) (レス) id: 5423a3a7ff (このIDを非表示/違反報告)
包帯運び屋の蛞蝓(さぶ) - 有難う御座います!全然更新できてなくて申し訳ないです・・・ (2018年8月29日 21時) (レス) id: 447c5e9774 (このIDを非表示/違反報告)
愛∞ - 包帯運び屋の蛞蝓さん» 大好きです。面白いです。更新頑張ってください! (2018年8月26日 11時) (レス) id: 64e52e5a9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:包帯運び屋の蛞蝓とアイカ | 作者ホームページ:((o(^∇^)o))  
作成日時:2018年7月20日 6時

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