【学スト】文学少女と栞と恋と【太宰治】

彼女からの手紙 ページ46

太宰くん

私が太宰くんに手紙だなんて驚いてるだろ。私も驚いてる!!(笑)これを書いてる今は生きているけどな。
･･･なあ、太宰くん。君は良く、自 殺未遂をしているだろ？それで、君に聞きたい事がある。

死ぬのが、怖くないのか？死ぬのが、嫌ではないのか？

私は、怖くないぞ。命が一つ消えるだけだ。

･･･何て言えたら、良かったんだが。生憎私にはそこまでの度胸は無い。

私は、死ぬのが怖くて堪らない。
死ぬのが嫌で堪らない。未だ死にたくない。やりたい事が沢山あるんだ。
進学していく三年生を見送りたい。
進級して、三年生になりたい。
受験の為に勉強したい。
大学に行きたい。
そして大人になりたい。
就職したい。
恋をしたい。
そして結婚して、子供を産みたい。
子育てしたい。
それから年をとって、老後というものを経験してみたい。

･･･探偵部の皆と、ずっと一緒に居たい。

私は、もっともっと、生きていたかった。

･･･我ながらとんでもない弱音を吐いてしまった。 こんなの私のキャラじゃない(笑)

でもこんな時太宰くんなら、「珍しく弱気じゃないか。まあまあ私に何時でも頼ってよ」って云ってくれるんだろうな。

･･････なあ、太宰くん。私は、君が好きだ。

願わくば、君も私と同じ感情を、抱いてくれていますように。

あ、大事な事忘れてた。危ない危ない。

太宰くん。君は転生って信じるか？私は信じてる。だから私はきっと来世も、何かに生まれ変わって君達に会えるんじゃないかって思うんだ。
だからその時はさ、私が君を見つけて、君の名前を呼ぶよ。そして、君と一緒に居られるよう努力する。だから君も、私のことを受け入れてくれると嬉しいな。あ、来世が話せなかった場合の為にここで書いておこう。今度は私を仲間に入れてくれないか。･･･本当は、口で言いたかったんだけど(笑)私の言葉が、私の声で君の耳に届かないのが残念だなあ。

･･･さて、タラタラと書いてしまったな。手紙はこの位にしておこう。

本当に今まで有難う。太宰くん。君のこれからの人生が、色鮮やかである事を祈ります。
夜乃








「ふっ･･･うぅっ、っあ」

読み終わる頃には、私の目からはとめどなく涙が零れていた。

「私も、私も好きだよ、夜乃･･･っ!!だから、だから･･･っ!!」


だからお願い。

戻って来てくれ。

彼女からの→←二十一話(MISSION'21)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す