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三話(MISSION’3) ページ27

大分古びた旧校舎の廊下に二つの人影。



汗ばんだ額を拭いながら男女は歩く。



外では雄蝉が熱心に求婚中だ。決して暑さと熱さをかけた訳では無い。




────まァ兎に角、夏である。






『暑い・・・このままだと私、溶ける気がするぞ・・・』





「安心し給え。人間は溶けない。代わりに腐るけど。」





指定の半袖のセーラー服を身につけた少女、夜乃は身体を前屈みにし乍嘆く。





また、指定の制服を多少着崩し全身に包帯を巻いている青年、太宰は掌で顔を扇いでいる。





「探偵部は何処にあるんだい・・・?旧校舎はもう使われてない筈だけど。・・・と云うか君、凄く汗かいてるけど大丈夫なのかい?」





『嗚呼気にするな。もう直ぐに着く。ほら、其処の教室だ。』




夜乃が指差す先には[第一視聴覚室]と書かれたプレートがあった。




ガラッと勢い良くスライド式のドアを開けると、夜乃は部屋の中に居るであろう部員に呼びかけた。




『おーい、遅くなって済まない。・・・まァ、聞いてないか。』




太宰が顔を覗かせると、部室の中は────滅茶苦茶だった。





一人は机の上で飴を舐め乍胡座をかき、





一人は腕を枕に熟睡し、





一人は手帳を手に何やらぶつぶつと呟いて居る。






太宰の表情から何かを察したらしい夜乃は云った。






『あー、太宰。これは日常茶飯事だ。・・・慣れろ。』






慣れる?無理だろう。先程まで顔色良く期待に満ちていた太宰の顔は、一気に青白く不安げな表情に変化した。









今日から解禁です。まだ少し控えていなさい、と言われたので此の作品だけ更新します。嗚呼、久しぶりの作品ページ。

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設定タグ:文スト , 学スト , 太宰治
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やっさん(プロフ) - にーさんのイメログの、人物夜及さん、だったのですね。それにしても、夜及さんの前に、あの、太宰治さんが手玉にとられるとは(苦笑)。ハッピーエンドで、よかったです。 (2020年4月27日 21時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
璃子(プロフ) - 月桂樹さん» 相方の代わりに私がお返事させていただきます。いい作品とのお言葉、ありがとうございます。それはCSSの関係でして、本当は後ろに背景が表示されます。読み込みの問題かと思われますので、ご了承ください。 (2019年2月7日 17時) (レス) id: 8aacdcc603 (このIDを非表示/違反報告)
月桂樹(プロフ) - いつも読まさせて頂いております!とても良い作品でお気に入り登録させて戴きました!少し何ですが、白が背景なのでどうしても説明文?が黄色なので見えづらいです…。長文失礼しましたm(_ _)m (2019年2月7日 11時) (レス) id: 5423a3a7ff (このIDを非表示/違反報告)
包帯運び屋の蛞蝓(さぶ) - 有難う御座います!全然更新できてなくて申し訳ないです・・・ (2018年8月29日 21時) (レス) id: 447c5e9774 (このIDを非表示/違反報告)
愛∞ - 包帯運び屋の蛞蝓さん» 大好きです。面白いです。更新頑張ってください! (2018年8月26日 11時) (レス) id: 64e52e5a9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:包帯運び屋の蛞蝓とアイカ | 作者ホームページ:((o(^∇^)o))  
作成日時:2018年7月20日 6時

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