寝込み (ページ15)

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kym side

落ち着いていられなくて部屋で1人ウロウロしているとインターホンの音が響き渡る

インターホンの画面で北斗だということを確認して玄関の鍵を開ければ「お待たせ」と言って優しく微笑みかけてくれる

何で会いにきてくれたの？とか

期待させることしないで！とか

聞きたいことや言いたいことなんて全部どうでもよくなってしまうくらい来てくれたことが嬉しくて泣きそうな声で「待ってた」と口から溢れてしまい「ごめんね」と困った顔で謝る北斗

「中入っていい？」

そう言われて俺は焦って北斗を部屋に案内すれば「ほんと大きい家だな」と辺りを見渡され何だか緊張してしまう

「と、とりあえず何処でもいいから座って、え、っと...お、お酒でも飲む？」

好きな人が家にくるのに心の準備なんて全然出来なくて辿々しく話せば「緊張でもしてるの？」と馬鹿にしたように言われたのに少し腹が立ちムスッとした顔で北冷蔵庫から取り出したお酒とコップを渡す

「ありがと、」

「いえいえ」

コップにお酒を注ぎ「お疲れ様」と言ってコツンと乾杯をする

お酒を飲んで緊張を消そうと思い一気に飲めば「ゆっくり飲みなさい」と怒られる

「だって、なんか...き、緊張して、素面じゃ無理.....ぎこちなくなっちゃう」

「なんか...今日のきょーもと、素直だね」

微笑みながら俺の頭を撫でてきた北斗に「そういうことするから緊張するの」と口をすぼめて軽く睨めば「分かった、じゃあもうしない」と言われ頷いたがそれはそれで悲しいかもと思ってしまう

北斗の口から出た言葉で自分の感情がコロコロと変わっていくことを紛らわすようにお酒を飲んだ