39-mia side ページ48
｢…いえ、大丈夫です｣
｢そうですか…｣
口ではそう言ってるが、どう見ても大丈夫そうでは無いロボロを見ながらどうしたものか、と考える
人間と過ごしているとは言え彼も吸血鬼。
同族が貶されていたら不快にもなるだろう
刹那の沈黙。
｢…あの、何か別の話しませんか？｣
重い空気に耐えられなくなったのか、彼は急に話題を振ってきた
｢いいですね
あ、私1つ聞きたいことがあったんですけど…大丈夫ですか？｣
躊躇いがちに許可を求める
｢はい、俺に答えられるものなら｣
彼は笑ってそう答えてくれた
…結構思いきった事聞いても大丈夫そう？
私には吸血鬼の恋人が居る。
でも、彼の吸血欲求が増すタイミングが分からず
最終的に不本意な状況の中で吸血される事も多い
…本人に面と向かって聞くのは少し気まづい
これを機にロボロさんに聞いてしまおう
｢…血を吸いたくなる時ってどんな時ですか？｣
彼は突然の質問に驚いたかのように目を見開いた後、口元に手を当てて真剣に悩み始めた
｢………そうですね
その人の事を好きだなぁって実感して胸が締められるような感じがする時と…
あと流血してるところを見た時ですかね。
俺だったらそのくらいですね…｣
うああ、と小声で呻いて顔を伏せてしまった
その時の感情を思い出してしまったのだろうか
恥ずかしそうに髪を耳にかけ、頬を染めたロボロ
…こんなに奥手な吸血鬼も居るんだ
そう思いながらロボロの言葉を反芻していた時、私の脳内にひとつの案が駆け巡った
｢なるほど…その流れてる血って少量でも効果あります？｣
もし少量でも効くなら、料理してる時に
痛、指切っちゃった……とか言って吸血してもらうのもあり…？
｢そうですね、少量でも甘い匂いはしてくるので…｣
｢…そうなんですね、ありがとうございます｣
いいことを聞いた
今度実践しよう
そう決意し、他人には滅多に見せない満面の笑みでお礼を言う
不意にロボロの目付きが鋭くなり、こちらを探っているような雰囲気を纏う
｢ミアさん、もしかして今度彼氏さんの前で指切ろうとか考えてます…？｣
…なんで分かったんですか、ロボロさん？
｢あ、バレました？｣
えへへ、と笑ってみせる
｢その笑顔は何かを企んでいる様にしか見えなかったので…｣
私から目線を外し、
…あまりやりすぎない方がいいと思います、とアドバイスをくれた
｢俺からもひとつ質問いいですか？｣
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くおろと - めちゃくちゃ好きな小説です…続き楽しみにしてます！ (2022年11月1日 17時) (
レス) @page1 id: 91be8eb151 (このIDを非表示/違反報告)
sala(プロフ) - クレナさん» 励みになります、ありがとうございますっ！ (2021年8月22日 23時) (レス) id: 6774b94e1b (このIDを非表示/違反報告)
クレナ - もちろんですよ！！！ (2021年8月22日 12時) (レス) id: c2d20227cd (このIDを非表示/違反報告)
sala(プロフ) - クレナさん» ありがとうございます、頑張ります！ 完結まで見守って下さると嬉しいです…… (2021年8月22日 10時) (レス) id: 458ab60d75 (このIDを非表示/違反報告)
クレナ - とっても楽しみです！投稿頑張ってください！ (2021年8月22日 5時) (レス) id: c2d20227cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sala | 作成日時：2021年8月22日 0時
