33-zm side ページ42
｢ロボロ、買ってきたでー｣
そう言ってクレープを渡すと、彼はありがとう、と言い両手で受け取る
彼の手のひらにあるのは、ホイップクリームと少し厚切りの苺を包んだパリッとした生地、
上からかけられたであろうチョコレートソースが艶々と輝いている定員一推しのクレープだ
トッピングはシンプルだが、きっと気に入ってくれるだろう
｢いただきます｣
その声と共に、はむっ、と口に頬張るロボロ
あまりに美味しかったのか手を口元に当てクレープを見つめ驚いている
｢…んまっ！｣
……やっぱ可愛いな。
そう思いロボロを眺めていると、何を思ったのか彼は自分のクレープと俺を交互に見つめる
｢こっち側まだ口つけてないけど…食べる？｣
きょとん、と首を傾げそう言ったロボロ
普段あまり見ることの無いあどけない表情と声色に、俺は頬が熱くなるのを感じた
｢っそうやね、ひとくち貰おうかな｣
その言葉を聞いたロボロは嬉しそうに顔をほころばせた
…口つけてないとは言っても関節キスやん、こんなの
本人は全く意図してないんだろうな、と思いながらクレープに口をつける
｢…っんま?!｣
その瞬間、苺の甘酸っぱい香りが鼻腔を通り、口には甘すぎない素朴なクリームの味が広がる
｢えへへ、美味しいやろ？｣
何故か得意そうなロボロに頷く
｢ゾムが連れてきてくれたおかげや、ありがとな！｣
満足や、とでもいうかのように目を細めて笑い、感謝を述べた
俺の視線はその口元に吸い寄せられる
…ん？
｢…ロボロ、口の端にクリーム付いてるで？｣
｢えぇ嘘?どこ?!｣
慌ててハンカチを取り出し拭くも、微妙に場所がズレていてあまり上手く取れてない様子のロボロ
俺は手を伸ばしてクリームを拭う
｢はい、取れたで｣
そう言って俺は敢えて見せつけるかのようにそのまま指をちゅ、と舐めた
｢ありが……ちょ、ぞむ…？｣
突然の行動に理解が出来なかったのか、ロボロは少し顔を赤くして狼狽している
…まじでかわええ
｢どしたん？はよ食べてほかの店回ろ？｣
赤面していることには気づかないふりをしてそう告げると、彼はこくこく、と2回頷き、物凄いスピードで食べきる
そんな中でもひと口ひと口を大切に、幸せそうに味わっているロボロをみて胸が暖かくなるのを感じた
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くおろと - めちゃくちゃ好きな小説です…続き楽しみにしてます！ (2022年11月1日 17時) (
レス) @page1 id: 91be8eb151 (このIDを非表示/違反報告)
sala(プロフ) - クレナさん» 励みになります、ありがとうございますっ！ (2021年8月22日 23時) (レス) id: 6774b94e1b (このIDを非表示/違反報告)
クレナ - もちろんですよ！！！ (2021年8月22日 12時) (レス) id: c2d20227cd (このIDを非表示/違反報告)
sala(プロフ) - クレナさん» ありがとうございます、頑張ります！ 完結まで見守って下さると嬉しいです…… (2021年8月22日 10時) (レス) id: 458ab60d75 (このIDを非表示/違反報告)
クレナ - とっても楽しみです！投稿頑張ってください！ (2021年8月22日 5時) (レス) id: c2d20227cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sala | 作成日時：2021年8月22日 0時
