26-rbr side ページ33
｢＿＿ロボロ。
俺、薬に侵されて理性が切れたロボロに血吸われるの嫌やねん｣
ゾムは顔を伏せそう言った。
彼の艶々した長い前髪が顔に流れる
…やっぱそうやん
じゃあなんでさっき＿＿
｢やから、理性が切れる前に…ロボロの意思で、吸ってほしい｣
俺の目を真っ直ぐに見つめ、安心させるように微笑んだゾム
…聞き間違いじゃなければ、彼は＿＿
｢…っ、ほんまに、ええの……？
血、吸うって事は首に牙刺さるんやで？
そんなん、絶対痛いやろ……｣
そう言うとゾムはそれでもええよ、と苦笑いを零す
その言葉を聞いた俺に、血を吸わないという選択肢は無かった
｢…膝の上、座ってもええ？｣
ゾムがこくりと頷くのを視認し、俺はゾムに向き合うように膝上に座る
出来るだけ痛みを感じさせないように、ゾムの首元を噛んだ
血が溢れる傷口に口をつけ、優しくキスを落とす
｢…んぅっ｣
ゾムの血が俺の身体に浸透する度、喉の乾きが満たされる
｢っろぼろ、それ以上は…｣
そう囁くゾムの声で我に返り、身体を離す
｢っあ、ちょっと待って｣
｢…え？｣
不思議そうに目を瞬くゾムを横目に、俺はもう一度首元に顔を寄せ、傷口を軽く舌でなぞる
傷口は、最初から何も無かったかのように塞がっていく
…これで跡は残らないはず
｢…は？え、今の……？｣
ゾムは目を丸くしてこちらを向いた
｢え…と、ゾムごめん、痛かったやろ…?｣
罪悪感に苛まれ、俺はうつむく
…あぁ、絶対吸わないって決めてたんやけどなぁ
｢いや、…痛くなかったで｣
その言葉に弾かれたように顔を上げれば、破顔したゾムが俺の視界を彩った
その瞬間、胸が高鳴るのを感じ、俺の頬は朱に染まっていく
｢…ぁ、そっか……よかった…｣
…優しすぎるんよ、ゾム
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くおろと - めちゃくちゃ好きな小説です…続き楽しみにしてます！ (2022年11月1日 17時) (
レス) @page1 id: 91be8eb151 (このIDを非表示/違反報告)
sala(プロフ) - クレナさん» 励みになります、ありがとうございますっ！ (2021年8月22日 23時) (レス) id: 6774b94e1b (このIDを非表示/違反報告)
クレナ - もちろんですよ！！！ (2021年8月22日 12時) (レス) id: c2d20227cd (このIDを非表示/違反報告)
sala(プロフ) - クレナさん» ありがとうございます、頑張ります！ 完結まで見守って下さると嬉しいです…… (2021年8月22日 10時) (レス) id: 458ab60d75 (このIDを非表示/違反報告)
クレナ - とっても楽しみです！投稿頑張ってください！ (2021年8月22日 5時) (レス) id: c2d20227cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sala | 作成日時：2021年8月22日 0時
