起きたら隣の席に影山飛雄が座ってるんだが [ 影山飛雄 ]

単細胞/22 ページ22

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仙台に着くと「ん」と手を差し出され流石にこの歳で鈍感なはずが無く、少し赤くなった顔を下に向けて隠しながら手を添えるとぎゅっと握られるので心拍数も上がってしまう




重い沈黙が続いたまま引かれる手に着いていくと地元…小さい頃飛雄といつも遊んでいた公園に着いた、ベンチにストンと座れば今までの沈黙が嘘かのように口を開き始めたのは彼だった






「…久しぶり」




「う、うん」




「お前さ、」






握られてる手がぎゅっと強くなり横目で飛雄の方を見るとマスクとサングラスが外れていた、ずっと下を向いてていつ取ったか気付かなかった

改めて見ると本当に整っているなぁ






「卒業式の時遮られたけど……進路先言えよ！ずっと同じ学校だったのに急に俺の前から居なくなったら心配になるだろ！」





「…は？」






進路先？？何言ってるんだこいつ？？



何を言われるんだろうとドキドキしてた心拍数が一気に落ち着くと同時に頭の中に？のマークが300個くらい浮かぶ



呆気に取られてる私を見て、卒業式で私の進路先と連絡先を聞こうと思ってたけど話を遮られたからと付け足された




「あの時やっぱ何もないって言ったじゃん！」そう反論すると「聞き直そうとしたら月島に呼ばれて頭から抜けた」とか言い訳してきたので「単細胞！」「誰が単細胞だボゲェ！」と低レベルな言い合いが始まる




そういえば中学の時もこんな感じだったから周りに夫婦喧嘩って冷やかされて話さなくなったんだよね…、よくある話だけど思春期の男女にとっては本当に恥ずかしかった








「けど、会えてよかった」







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