58話 ページ10
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ある日唐突に非通知の電話があった。
「…もしもし」
『僕だ。』
「…僕って人は知らないので切りますよ。」
『待て!!!君、わかってやってるだろ!?』
と、聞き慣れた彼の大きな声が聞こえる。
「だって、内容も言わずにいきなり僕だとだけ言われたら、ねえ?」
『…悪かった。降谷零だ。』
「ふふ、わかってましたよ。
じんぺーくんたちから配属先について伝えたって聞いたのでもうそろそろかかってくると思ってました。」
『そうか、なら話は早い。
捜査一課はやめろ。移動した方がいい。
今日はその話を直接しに来た。外に来るんだ』
本当に唐突だな、この人。
そもそもそんな早くできないの知ってるでしょ。
と思いながら、顔も合わせないと話にならないので急いで下に向かう。
「…まだ配属されて1ヶ月経ってないですよ?」
『知ってるが?』
本当にこの人は…。
変なところで頑固で、譲るなんて選択肢を持ち合わせてもない。
「無理。それに今すごくやりがいを感じてて楽しいんです。
零さん、邪魔したら二度と会わないけど良いんですか?」
『は、はあ?僕を脅す気か?』
なんて言ってるけど声は上擦っていて動揺している事がバレバレ。
「脅すとかじゃなくて、本当に会わないしプレゼントも受け取らないし、電話も出ない。
邪魔されたくないだけです。」
『邪魔……』
よっぽどショックだったのか、再び邪魔…?と呟いてから目が虚ろになっている。
「わかったら私を説得しようと試みないことです。」
『!それは無理だ!!
ただでさえ君と会えてないんだぞ?』
「それは零さんの仕事の事情でしょ。」
『…だが、これ以上心配してたら生きた心地がしない。』
「零さん心配しすぎなんです…!」
そう。
離れてからというもの、確実にプレゼントが増えたり、1週間に一度は電話があったりは当たり前。
不安を埋めようとしているのか、プレゼントは前のような消耗品は無くなり、高価で、確実に形が残るものが多くなった。量も増えている。
電話は本当に多い。私の予想では、1週間の内の空いた時間に加えて、3日寝れてないと電話をかけてきている。
彼が大変だからという理由で甘やかして、断りきれない私も悪い。しかし、零さんは本気で私に依存してきている。
だからとりあえず彼を制限することにした。
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あまね(プロフ) - 🟥さん出てくるのも待ち遠しい‼️ (10月9日 15時) (レス) @page14 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 読みながらときめきで倒れそうでした!続きを心待ちにしてます!! (7月3日 13時) (レス) @page14 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
仁(プロフ) - めちゃめちゃ好きです!!!続き楽しみに待ってます!!! (5月30日 22時) (レス) @page14 id: 4e6b429b64 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 👍 (2023年4月9日 12時) (レス) @page12 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロ。 - 続き楽しみにしてます!!!!! (2022年12月26日 21時) (レス) @page12 id: 5bbebede5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そば粉 | 作成日時:2022年7月18日 11時