40話 ページ41
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退院して1ヶ月。
私なりに将来について色々考えた。
そしてある結論にたどり着いた。
彼らを助けるために都合が良い職業は、弁護士では無く警察官だということ。
今日、初めて人に打ち明ける。
大事な相談があります、なんて言って呼んだのは降谷さん、諸伏さん、伊達さんの3人だ。
静かな喫茶店でなぜか1対3で座る。
「お久しぶりです。今日は来ていただきありがとうございます。突然すみません。」
『君のことだ、よっぽどのことなんだろう?
それにAちゃんに会えるんだ。喜んで時間を作るよ。』
なんて言ってくれる降谷さん。
隈がひどい。この時間を作るためにお仕事を頑張ってくれたんだろうか。
「ありがとうございます。」
『それで、話ってのは?』
『オレもそれが聞きたいんだ。どうしたの?』
「私の将来についてで…」
何を言われるか不安で、たまらず拳を握って固唾を呑む。
すると右手に温かい体温を感じる。
『大丈夫、言ってごらん。』
微笑む降谷さんには何でも言えるような気がした。
「っその」
心を決める。
「大学を卒業したら、警察官を目指そうと考えています。
けど、研二くんたちは心配性なのできっと反対すると思うんです。だから、皆さんに2人を説得していただきたくて…」
『本気で言ってるのか?』
先程とは打って変わって目が死んでめちゃくちゃ怖い降谷さん。
「やっぱりこんなこと頼んじゃダメですよね!すみません!」
と引き下がろうとすると
『そうじゃない』
と止められる。
『ゼロはAちゃんが警察官を目指すことに対して、本気で言ってるのか聞いてるんだと思うよ。』
なにそれ
「私、気持ちまで疑われちゃうんですか…?
本気です。軽い気持ちでこんなこと言わない。」
そう言うと今まで考え込んでいた伊達さんが口を開いた。
『じゃあ、辰巳は知らねえやつのためにいつでも命かけれるのか?』
「っそれは」
『その状態で俺は無責任に説得なんて出来ねえ。』
そう言い切る伊達さんを横目に降谷さんが口を開く。
『…僕は君が大切だ。過ごしてきた年月なんて関係ない。
だから君を失うことが怖いんだ。
しかし君は今、そんな僕に君を失う選択肢を増やしたいから協力してくれと言っているんだぞ?
あまりに残酷なんじゃないか?』
「…」
どうしても警察官になりたい。
けど、こんなことを言われて言い返す言葉もなかった。
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そば粉(プロフ) - ヨザクラさん» ありがとうございます!!これからもソワソワしていただけるように書いていきます!警察学校組登場まであと少しお待ちください! (2022年6月3日 8時) (レス) @page18 id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
ヨザクラ(プロフ) - とても面白いです!続きが気になってソワソワします!全員にフラグ立ってーーー!!!頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年6月2日 9時) (レス) @page14 id: f4c5d262a2 (このIDを非表示/違反報告)
そば粉(プロフ) - ひええそんなこと言ってくださる柑橘類様尊すぎませんか(?)ありがとうございます!!そのお言葉がモチベーションになります!!! (2022年5月31日 0時) (レス) id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
*柑橘類*@馬鹿同盟(プロフ) - えっ尊いですね(?) 応援します! (2022年5月29日 19時) (レス) @page6 id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そば粉 | 作成日時:2022年5月27日 11時