39話 ページ40
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「じんぺーくんがやったんでしょ」
そう言って胸板を押すけど、やっぱり男の人の力には敵わなくて離れられない。
それどころか、気づけば私の手を引っ張っていたはずの手は頭に回っている。
本当にたまに見せてくれる、覇気を纏わない、優しくて私を溶かしそうに熱い瞳。
「っやだ、離してよ、ねえ」
『もっと素直になれよ、嫌じゃねえくせに。
離して欲しかったらもっと抵抗するだろAなら。』
そう言われて顔に熱が集まるのがわかる。
「ばか、あほ、天パ」
『おいコラ』
ずっとこうやっていれたらいいのに。
楽しいだけの時間のまま過ごしたい。
そう考えていると頭を引き寄せられる。
『俺からは放れねえよ。』
「え?」
『こういうのも続かねえとか考えてたろ。
顔に出てんだよ。』
「っだって、怖いもん。
研二くんと話さなくなった時も寂しくてどうにかなりそうだった。じんぺーくんも同じようになったらもう私無理だよ。」
『バカお前ほんっとに学ばねえな。ハギも俺も放れねえよ。
ハギなんてAと話さなくなってから大荒れしたんだぞ。
俺もアイツもいつもお前のことばっか考えてんだ。
最近やっと話すようになって、久しぶりにアイツが女の誘い断るの見た。
他の子と連絡取ってるやつがAと連絡取るとか不誠実、らしいぞ。』
それ本当に研二くん…?
『俺だってA以上に守りたいと思う女はいねえし、お前になら人生捧げられる。
本気で他の男になんか譲る気ねえし、Aのこと放す気なんてねえよ。
放してなんて言われても聞かねえ。』
驚いたけどあまりに心のこもった言葉に思わず頬が緩む。
『おい、なんで笑ってんだよ』
「ふふ、嬉しくて。
なんかプロポーズみたいだったから」
『なっっっ!!!?』
「けど、すっごく安心した。いらない心配だったね。
ありがとう。」
彼の背中に腕を回す。
柔軟剤とタバコの香りがさらに私を落ち着かせる。
「じんぺーくんの匂い大好き」
『匂いだけかよ?』
「そんなことないよ、女の子にこれ以上言わせないで〜」
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あれから少し経って離れる。
「またご飯とか遊びに連れてってね。
今日はありがとう。お仕事頑張って!」
『おう、また空いてる日連絡する。』
「うん、お願いします!」
『じゃあな』
そう言ってじんぺーくんは帰っていった。
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そば粉(プロフ) - ヨザクラさん» ありがとうございます!!これからもソワソワしていただけるように書いていきます!警察学校組登場まであと少しお待ちください! (2022年6月3日 8時) (レス) @page18 id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
ヨザクラ(プロフ) - とても面白いです!続きが気になってソワソワします!全員にフラグ立ってーーー!!!頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年6月2日 9時) (レス) @page14 id: f4c5d262a2 (このIDを非表示/違反報告)
そば粉(プロフ) - ひええそんなこと言ってくださる柑橘類様尊すぎませんか(?)ありがとうございます!!そのお言葉がモチベーションになります!!! (2022年5月31日 0時) (レス) id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
*柑橘類*@馬鹿同盟(プロフ) - えっ尊いですね(?) 応援します! (2022年5月29日 19時) (レス) @page6 id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そば粉 | 作成日時:2022年5月27日 11時