34話 ページ35
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幼馴染みHside
「お巡りさん」
タバコを吸っていると聞こえるはずのない愛しい女の子の名前がした。
そういえば1週間くらい会えてないな。
体が求めてんのかな、なんて考えながら声の方を振り向く。
『Aちゃん…?』
いるはずのない彼女を見にして頭が追いつかずにいると、他の隊員からの指示を仰ぐ声でハッとする。
ほんのさっき、住民の避難が完了したと連絡が来ていたはずだ。
『逃げ遅れたのか!?』
そう聞くと気まずそうに頷く彼女。
「さっき、足を捻っちゃって」
『1人隊員について貰うから下に行って。
ここは危ない。』
「隊員って誰?
私、研二くんじゃないと嫌だよ。」
『今はわがまま言わないでくれ。』
「そうじゃなくて、アレがあってから知らない男の人が少し怖いの…」
そう言って爪が食い込みそうなほど自分の腕を強く握って目を伏せる。
どこかでそんな気はしていた。
ほとんど男性との関係を持ってこなかった年頃の子があんな思いをしたのだ。
『しょうがない、俺が下まで連れていく!!
何かあると危険なので1階下の階で待機していてください!』
そう言って移動をしている最中、電話がかかってきた。
『おい、そっちにAいるか!?
さっき出てきた住人が、自分の部屋に泊まっていた友人が逃げ遅れたって!!あ、おい!『Aちゃんって子です!茶髪で目がくりくりの女の子!』』
『逃げ遅れたって。今さっき保護して、色々あって今俺が下に連れて行ってる。
松田、途中まで迎えに来れるか?』
そう、俺にはまだ解体しなくてはならない爆弾が残ってるのだ。
しかし俺がそう言うと、彼女の顔色がさらに悪くなった。
「っダメ!!!研二くんが下まで連れて行って欲しいの。」
横抱きしている彼女の腕に力が入って首がしまる。
『ウッッッ!』
「あ、ごめ」
『……松田、俺が連れてく』
『頼んだぞ。』
そう言った時だった。
ドォォォオオン!!!!!!!
大きな爆発音と熱風が俺たちを包んだ。
咄嗟に彼女を守ろうとするが、それは彼女も同じようで手が頭に回ってくる。
降りていた階段からバランスを崩し2人で落ちる。
途中彼女の呻き声が聞こえた。
一瞬意識が飛んでいたのだろう、目を覚ますと目の前には脂汗を大量に流す彼女。
目線の先を見ると、彼女の裏ももには寝巻きを貫通して爆破で飛んできただろうガラスの破片が深く刺さっていた。
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そば粉(プロフ) - ヨザクラさん» ありがとうございます!!これからもソワソワしていただけるように書いていきます!警察学校組登場まであと少しお待ちください! (2022年6月3日 8時) (レス) @page18 id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
ヨザクラ(プロフ) - とても面白いです!続きが気になってソワソワします!全員にフラグ立ってーーー!!!頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年6月2日 9時) (レス) @page14 id: f4c5d262a2 (このIDを非表示/違反報告)
そば粉(プロフ) - ひええそんなこと言ってくださる柑橘類様尊すぎませんか(?)ありがとうございます!!そのお言葉がモチベーションになります!!! (2022年5月31日 0時) (レス) id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
*柑橘類*@馬鹿同盟(プロフ) - えっ尊いですね(?) 応援します! (2022年5月29日 19時) (レス) @page6 id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そば粉 | 作成日時:2022年5月27日 11時