32話 ページ33
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「っいた」
『ほら見ろ。お前早く俺たちに渡せ。』
「ぐぬ……」
『ほらこうやんだよ。』
包丁でさらっとりんごの皮を向いていくじんぺーくん。自分が器用だからって…。
『くそ、皮がすぐ切れる』
『ゼロ、リンゴ潰す気?ほら貸して。』
『いや俺は彼女に!…はぁ』
『見てゼロ、リンゴを持ってる手を動かした方が上手くいくよ』
「降谷さん、意外と料理は苦手?」
『あはは、あまり得意ではなくてね…』
「なんでもできると思ってたから、知れて嬉しいです。」
『そんなの知っても面白くないよ。』
「面白いですよ」
なんて話していると隣で手際よく皮をむいていく諸伏さんが目に入る。
「え、諸伏さんすごい!!!教えてください!!」
『おい、俺が教えてやるって!』
「じんぺーくんは教え方が雑だし、諸伏さんの方が綺麗だから諸伏さんがいいの。」
『残念だったな松田』
『うるせーぞゼロ!』
結局言い合いになる彼らを横目に諸伏さんにお願いする。
『オレでいいなら教えるよ。』
「諸伏さんがいいんです。」
『はは、じゃあやって見ようか。』
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『…そう、ここをこうして…』
「こう?」
『お、そうそう』
『あいつら距離近くないかゼロ』
『ああ、今すぐ離してやりたいところだが、あのAちゃんの笑顔はずっと見ていたい。クソっ、ヒロめ。』
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「出来た、可愛い!うさぎに見える!!
ありがとうございます、諸伏さん!」
『うん、上手だよ。Aちゃんは筋がいいね。』
「ほんとですか?嬉しい!
その、良ければ、また今度お料理教えていただけませんか?」
『なんだあの可愛さ…』
『降谷、お前ぶどう落としたぞ。』
『あああああまだあれ使ってる。ほんとに姉ちゃんなんてこと教えてくれたんだよ…』
『やっぱあれ効かねえやつはいねえよな…』
久々に千速ちゃんに教えてもらった上目遣いでお願いしてみた。諸伏さんは普通にお願いしても承諾してくれそうだけど、これが効くかは試してみたくて。
『っあ、うん、また予定を合わせて教えるね。
ごめん、少し外の空気を吸ってくるよ。』
そう言って病室を足早に出ていく諸伏さん。
…けっこう効果あるのか。大事な時だけ使おう。
「あ、出てっちゃった。」
『もう、あんまり男を面白がったらダメだよ?』
「う、ごめんなさい。反省してます…。」
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そば粉(プロフ) - ヨザクラさん» ありがとうございます!!これからもソワソワしていただけるように書いていきます!警察学校組登場まであと少しお待ちください! (2022年6月3日 8時) (レス) @page18 id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
ヨザクラ(プロフ) - とても面白いです!続きが気になってソワソワします!全員にフラグ立ってーーー!!!頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年6月2日 9時) (レス) @page14 id: f4c5d262a2 (このIDを非表示/違反報告)
そば粉(プロフ) - ひええそんなこと言ってくださる柑橘類様尊すぎませんか(?)ありがとうございます!!そのお言葉がモチベーションになります!!! (2022年5月31日 0時) (レス) id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
*柑橘類*@馬鹿同盟(プロフ) - えっ尊いですね(?) 応援します! (2022年5月29日 19時) (レス) @page6 id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そば粉 | 作成日時:2022年5月27日 11時