29話 ページ30
・
目が覚めるとそこはいつもの天井では無かった。
まわりを見渡すと自分に繋がった透明の管が目に入って、病院なのだと気づく。
すると、1人の男性が私の名前を呼んだ。
『Aちゃん…?目が覚めたの…?』
とりあえず頷くと、私の手を取って涙を流す彼。
このイケメンどこかで見たことある…
あーーまじで好きな顔だ。
『ねぇ、そんなに見られると穴空いちゃうんだけど?』
片手で涙をふいて微笑む彼はかっこよすぎて思わず目を逸らす。
『照れてるの?…可愛い。
Aちゃんが起きたって看護師さんやじんぺーちゃんにも伝えてくるね。』
か、可愛いって…!!!
いやそこじゃない。状況の整理をしよう。
私の名前は、A。
『辰巳さーん』
!!!そうだ、私は辰巳A。
ここは米花中央病院というらしい。
…米花?
“あの”犯罪都市、米花町?
じゃあここは、名探偵コナンの世界?
落ち着いて登場人物を思い出す。
まずあんなイケメンが出ていないことはないと思う。
そういえば、あの人はじんぺーちゃんって人を呼んでくるって言ってたっけ。
じんぺー…じんぺー…
まさか、松田陣平…?原作で彼をそんなふうに呼ぶのはは1人しかいなかった。じゃあ、あの人は萩原研二…?
“私はずっと研二くんとじんぺーくんと一緒がいい”
“ふふ、そうしようか”
ふと頭に浮かんだのは小学生くらいの男女が話している姿。
間違いない、これは<現在の>の私の思い出。
私は、名探偵コナンの世界に存在する、辰巳Aだ。
次々と蘇る記憶。
この世界で私は萩原研二と松田陣平の幼馴染みだということ、アメリカにいた時お付き合いしたあの彼もコナンの登場人物だということ、他にも色々繋がった。
このタイミングで良かったのかもしれない。
きっと今は原作の7年前。
私はこの世界に存在する辰巳Aとして、幼馴染みを助ける。
それに諸伏さんだって、伊達さんもみんな助ける。
前世で好きだったからとかそんなんじゃなくて、今はもう私の大切な幼馴染みやその同期。
絶対に、何があっても死なせない。
そのためにこれから何をやっていけばいいだろう、なんて考えていたら扉をノックする音が聞こえて、返事をする。
『Aちゃん?入るね』
・
1557人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そば粉(プロフ) - ヨザクラさん» ありがとうございます!!これからもソワソワしていただけるように書いていきます!警察学校組登場まであと少しお待ちください! (2022年6月3日 8時) (レス) @page18 id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
ヨザクラ(プロフ) - とても面白いです!続きが気になってソワソワします!全員にフラグ立ってーーー!!!頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年6月2日 9時) (レス) @page14 id: f4c5d262a2 (このIDを非表示/違反報告)
そば粉(プロフ) - ひええそんなこと言ってくださる柑橘類様尊すぎませんか(?)ありがとうございます!!そのお言葉がモチベーションになります!!! (2022年5月31日 0時) (レス) id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
*柑橘類*@馬鹿同盟(プロフ) - えっ尊いですね(?) 応援します! (2022年5月29日 19時) (レス) @page6 id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:そば粉 | 作成日時:2022年5月27日 11時