座れば牡丹【名探偵コナン】

25話 ページ26

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幼馴染みMside



『あ、オレにも教えて！』




教えたなんて知れたらハギだって何をしてくるかわからねえ。
そもそも取られる可能性があるお前らに教えるわけねえだろ！！！


そう言ってやりてえ。





しかし、ゼロがマジなのだ。

『なあ、いいだろ松田！』

なんて爽やかな笑顔で言っているが、ゼロの腕が回されている俺の右肩には親指がめり込んでいる。

殴ってやりてえがAが働いてる店に迷惑なんかかけられねえ。




『え〜！降谷くんああいうハーフっぽい子がタイプなの？今日せっかく女の子が5人もいるのに欲張り〜！！』
『ほんとね〜！！』



そうだそうだもっと言ってやれ！！



『いや〜、俺はいつも松田に頭を抱えてるから猫ならぬ歳下の女の子の手も借りたいくらいなんだよ！』

あははなんて眉頭を下げて笑うゼロ。
ほんっとこいつ覚えとけよ。



埒が明かねえ！！

仕方なく腕をはらって紙ナプキンにサラサラと連絡先を書いていく。
『ほら、これだよ。』



『感謝する！！』
『ありがとう松田！』


『……ぉー』



仕方ねえ、学校まで帰った後にハギに言っとくか。





後のことを考えると憂鬱で仕方ない。





それからまた少し時間が経ってやっとハギが来た。





そのまま言うタイミングを逃し、帰り道。

歩いていると少し酒がまわって気分が良いのか、ゼロが思い出したように言った。

『そういやハギ、お前が前言ってたAちゃん良い子だな！』


「…あ？」



いつになく低くドスの効いた声に空気がシーンとする。


『幼馴染みのAちゃんだよ。1軒目でバイトしてただろ？その後挨拶して松田に連絡先教えて貰ったんだ！
さっきカラオケ行く前に連絡いれたんだ。

そしたらさっき返信がきて…』

ほら、と言って見せてきた画面には



“ふるやさん！返信遅くなってすみません！

ご連絡ありがとうございます！改めまして辰巳Aです。

よろしくお願いします！！
ぜひ機会あれば勉強教えてください笑”





なんなんだ？文面から可愛いなくっそ！！！

ふるやってあれか、漢字間違えるの怖くて平仮名か？

で？勉強教えるってなんだよぜってえ会わせねえよ！！




とか考えてたら隣の真っ黒いオーラにゾッとする。


そりゃあ、あんっだけ拗らせてるくせに何年も会えてない(避けられてる)幼馴染みがまた新しい男と連絡取り合うようになったし、気持ちはわからなくねえ。









…今回はゼロ、お前がわりい。







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