17話 ページ18
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それにしてもこの街は治安が悪い。渡米して2週間経って何にも巻き込まれてないことは凄いことなのかも。
気をつけなきゃ、なんて思いながらホストファミリーの家へ歩いている時だった。
“ねえ!その靴可愛いね好みだ、そんで君も好き”
とってもチャラい現地のお兄さん2人組に声をかけられた。
「あ、ありがとう...」
“ねえお腹すいてないかい?”
“近くに美味い店があるんだけど、一緒にどう?”
「あー、ごめんなさい。ホストが待ってるの」
“すぐ終わるから心配ないよ”
“ほらこっちだ”
と強引に腕を引かれる。しかも彼らが進んでいくのは大通りではなく明らかに飲食店がないであろう裏道。
「どこ行くの?」
“はあ?日本人はそんなに察しが悪いのか?”
“今からすることなんて...なぁ?”
その言葉を聞いて血の気が引くのがわかった。
私は彼らに男とは何かを教え込まれるのだ。体の震えが止まらない。
いつも助けてくれたじんペーくんや凌ちゃん、研二くんだっていない。
「いや!!誰か、助けてっ」
“うるせえ!!”
口を塞がれる、その瞬間
鈍い音がした。
『命が惜しければ、やめておいた方が良い』
“うぐ!”
“っおい!!はやく逃げるぞ!!!”
「きゃっ」
彼らは私を投げ捨てて逃げていった。
とっさに助けてくれた彼が私を受け止める。しかし彼の顔は暗くて見えない。
『おっと、大丈夫か。』
「あ、ありがとうございます...大丈夫です...」
と言って彼から離れて立とうとするも震えが止まらず力が入らない。
『とても大丈夫には見えないが...?』
「...ごめんなさい、あそこのベンチに座らせてもらえませんか?
落ち着いたら自分で帰ります。」
『しっかり捕まっていろ』
彼はそう言うと私を抱き上げベンチへ運んだ。
『降ろすぞ』
ベンチ近くの電灯によってあらわになったお兄さんは、出勤時間が被るカッコイイお兄さんだった。
私は思わず「あのかっこいいお兄さん!!」と日本語で呟いてしまった。
すると驚いたことに彼は、
『ホォー、日本人だったのか。』
と日本語で言ったのだ。
「え、お兄さんも日本人?」
『まあ、そんなところだ。』
「初めて日本人に会えました...嬉しい。安心しました。」
『フッ、そうか。』
「あの、もし良かったら、その...連絡先、交換してもらえませんか...?」
少し粘って彼と連絡先を交換した。
“シュウ”
彼は仲間内でそう呼ばれているそうだ。
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そば粉(プロフ) - ヨザクラさん» ありがとうございます!!これからもソワソワしていただけるように書いていきます!警察学校組登場まであと少しお待ちください! (2022年6月3日 8時) (レス) @page18 id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
ヨザクラ(プロフ) - とても面白いです!続きが気になってソワソワします!全員にフラグ立ってーーー!!!頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年6月2日 9時) (レス) @page14 id: f4c5d262a2 (このIDを非表示/違反報告)
そば粉(プロフ) - ひええそんなこと言ってくださる柑橘類様尊すぎませんか(?)ありがとうございます!!そのお言葉がモチベーションになります!!! (2022年5月31日 0時) (レス) id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
*柑橘類*@馬鹿同盟(プロフ) - えっ尊いですね(?) 応援します! (2022年5月29日 19時) (レス) @page6 id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そば粉 | 作成日時:2022年5月27日 11時