1話 ページ2
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気がついた時には隣にいるのが当たり前だった幼馴染みの研二くん。
「けんじくん!!あーそーぼ!!」
『Aちゃん!いいよ!あそぼ!!』
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『研二くんとのお約束守れる子〜?』
「はーい!!!」
『Aちゃんは偉いね!!!』
お兄ちゃんみたいで、いつも優しくてかっこよくて、そんな研二くんが大好きだった。
けれども研二くんは2歳上。
つまり私より先に入学して卒業してしまうのだ。
小学校に入学するためこれからなかなか会うことが出来なくなるかもしれない、と話を聞かされた時はなぜ私は研二くんより小さいのかと本気で母に訴えた。
どうしようもなかったんだけどね。
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研二くんが卒園した幼稚園はとてつもなくつまらなかった。
彼がいなくなってから沢山の子が話しかけてくれて、友だちが増えた。
けど、女の子相手に研二くんとやっていたような遊びも出来ず、男の子と話していても研二くんと比較してしまって不満が溜まっていた。
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いつも隣にいてくれた研二くんと一緒にいれないことに我慢の限界を迎えた私は研二くんがお友達と遊んでいるところまで押しかけた。
いや正確に言えば、押しかける勇気は無かったので影からずっと覗いていた。3日ほど。
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そんな私を見つけたのがもう1人の幼馴染みだった。
『ちょっと待ってろハギ!!』
そう言って研二くんから離れたと思えば彼は迷わずこっちに走ってきた。
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当時の私は彼が怖くてしょうがなかった。
今まで出会ったどの男の子より怖そうで、口が悪くて、そのうえ2歳も上なのだ。
実際、初めて交わした会話はトラウマで今でも覚えている。
『お前最近ずっと俺たちのこと見てなんなんだ!』
「…へっ、あ、あのね」
『じんぺーちゃーん!!!置いてかないで!!
ってAちゃん!?』
『あ?A?誰だそれ』
「け、研二くんっ!…この人こわい!!!」
結局その日は研二くんがギャン泣きする私を必死に慰めてくれてそのまま家まで送ってくれた。
そのあとは研二くんに会えなくて寂しい気持ちよりまたあの人に会ったらどうしよう、また怒られたら怖いという気持ちが勝ってしまってなかなか研二くんに会いに行けなかった。
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そば粉(プロフ) - ヨザクラさん» ありがとうございます!!これからもソワソワしていただけるように書いていきます!警察学校組登場まであと少しお待ちください! (2022年6月3日 8時) (レス) @page18 id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
ヨザクラ(プロフ) - とても面白いです!続きが気になってソワソワします!全員にフラグ立ってーーー!!!頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年6月2日 9時) (レス) @page14 id: f4c5d262a2 (このIDを非表示/違反報告)
そば粉(プロフ) - ひええそんなこと言ってくださる柑橘類様尊すぎませんか(?)ありがとうございます!!そのお言葉がモチベーションになります!!! (2022年5月31日 0時) (レス) id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
*柑橘類*@馬鹿同盟(プロフ) - えっ尊いですね(?) 応援します! (2022年5月29日 19時) (レス) @page6 id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そば粉 | 作成日時:2022年5月27日 11時