45話 ページ46
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5分ほど経っただろうか。
しょんぼりした彼らが帰ってきた。
『頭は冷えたのか?』
降谷さんが口を開く。
『ああ。
…ごめんねAちゃん。考えを聞きもせず頭ごなしに否定して、傷つけてごめん。』
「…うん、もういいよ。けど、悲しかった。」
『ほんとにごめん』
「うん」
『…じんぺーちゃん』
『…悪かった』
「それは、じんぺーくんの気持ち?
さっきのことで私を傷つけたって思ってないなら謝らなくてもいいんだよ。
ただ私はこれからじんぺーくんとの関わりを減らすだけ。」
『ぐっ……
悪かった。思ってもねえことまで言った。言い過ぎた。ごめん。』
「うん、気をつけてね。」
前よりも冷たい対応をとっている自覚はある。これはわざとだ。
彼らは私から離れられない。だからこそ拒絶されそうな状況は耐えられない。そこで彼らが従わざるを得ない態度をとるのだ。
悪い女なんてこと私が1番わかってる。
ただここまで弱らせないときっと彼らは私の入学を許さないのだ。
全て彼らを助けることに繋がる。だから私は譲らない。
「…私ね、中途半端な気持ちで警察官を目指すわけじゃないよ。」
ゆっくり、言葉が流れないように大切に話す。
「どうしてもね、助けたい人がいるんだ。
私はその人たちを助けるためなら命だってかける。
その人たちがいなくなったら、私きっと生きてられない。
そしてこれは私にしか出来ないことなの。だから、お願いします。私の選択を認めて。」
頭を下げる。
『…A』
沈黙を破ったのはじんぺーくんだった。
『俺たちは、そうやって無理するのが目に見えてるから反対してんだ。
だから俺が目指すことを認めるならお前は1人で無理しないって約束しろ。毎回誰かには連絡しろ。これは譲れねえ。』
「…わかった」
『嫌そうな顔すんな。…頑張れよ。』
「!!!うん、ありがとう。」
『…毎週連絡するって約束して。逐一報連相だよ。』
「うん。ありがとう。頑張る。」
こうして、なんとかひと段落ついた。
やったーなんて言って降谷さんとハイタッチをして別れる。
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帰路につくと、ふと数ヶ月前のことを思い出した。
以前付き合っていた彼が頭に浮かぶ。
私と彼がお別れをした原因は、私が彼の将来を応援できないことだった。
状況が似てる。
異なるのは、別れを選んだか繋がりを選んだかだけだった。
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そば粉(プロフ) - ヨザクラさん» ありがとうございます!!これからもソワソワしていただけるように書いていきます!警察学校組登場まであと少しお待ちください! (2022年6月3日 8時) (レス) @page18 id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
ヨザクラ(プロフ) - とても面白いです!続きが気になってソワソワします!全員にフラグ立ってーーー!!!頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年6月2日 9時) (レス) @page14 id: f4c5d262a2 (このIDを非表示/違反報告)
そば粉(プロフ) - ひええそんなこと言ってくださる柑橘類様尊すぎませんか(?)ありがとうございます!!そのお言葉がモチベーションになります!!! (2022年5月31日 0時) (レス) id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
*柑橘類*@馬鹿同盟(プロフ) - えっ尊いですね(?) 応援します! (2022年5月29日 19時) (レス) @page6 id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そば粉 | 作成日時:2022年5月27日 11時