20話 ページ21
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ふと目が覚めるとまだ午前5時30分すぎ。
お腹に温かさを感じて見るとそこにはシュウさんの逞しい腕があった。
全てを言葉にしてくれる訳では無いが、十分過ぎるほど沢山愛を伝えてくれる。そんな愛しい彼の寝顔を見ると綺麗で見惚れてしまう。
長いまつ毛、通った鼻筋、サラサラの髪の毛。
長いまつ毛に触れたり、鼻筋や唇をなぞったり、伸びかけの髪を触ったり。
「ふふ、かわい。...シュウさんだいすき」
彼が起きないようにそっとお腹に回る手を外す。
そして、シュウさんの脇のあたりで割座になる。
落ちそうになる髪を耳にかけて彼の唇に私の唇を軽く押し付ける。
顔を離すとまだスヤスヤと寝ている彼。
「シュウさん、ほんとは起きてたりする?」
なんて冗談で問いかける。
「なわけ『バレていたか。』え」
ゆっくりと目を開けて、彼の指先は私が先ほどやっていたように唇をなぞる。
『全く。寝込みを襲われる趣味などないんだが…
なかなかもどかしかったぞ?』
そう言うとシュウさんは起き上がって私の前で胡座をかいた。
彼が胡座をかくときは私を足の間に座らせるとき。
私はシュウさんの足の上に座って、腰の後ろに足を回した。
シュウさんの首元に顔を埋めると、シュウさんは片手を私のお尻に、もう片方の手を背中に回してきた。
『くすぐったいな』
「ん、許して」
この時間が何よりも好き。
「シュウさんの匂いだいすき、落ち着くー...」
なんて言っていたら退屈だったのか彼は私の耳元や首元に口付けを落とす。
「ふふ」
『?どうした』
「学校行きたくない。ずっとこうしてたい」
『可愛いワガママだな。だがもうそろそろ準備をしなくては』
「ええ...」
そう言って私を足の上から降ろすと頭を撫でたあと1人でベランダに行ってしまった。
朝からタバコに負けた…
なんて思っていたけど、時計を見たらもう7時近い。
私も準備をしなくては。
シュウさんの家に置いてある洋服一式を急いで着たら、次は持ってきたポーチを取り出してお化粧、彼の家に置いてある私用のアイロンで髪を巻く。
「よし」
すぐに朝食を済ませて一緒に家を出る。
『さて、ここで分かれるか』
「やだ、学校行きたくないです」
『君が学校に行かなくても俺は職場に向かうんだぞ?』
「...寂しい」
『はぁ、わかった。仕事が終わったら迎えに行く。』
「!!それなら頑張れる」
単純なやつめ、なんて言う彼も大好きだ。
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そば粉(プロフ) - ヨザクラさん» ありがとうございます!!これからもソワソワしていただけるように書いていきます!警察学校組登場まであと少しお待ちください! (2022年6月3日 8時) (レス) @page18 id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
ヨザクラ(プロフ) - とても面白いです!続きが気になってソワソワします!全員にフラグ立ってーーー!!!頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年6月2日 9時) (レス) @page14 id: f4c5d262a2 (このIDを非表示/違反報告)
そば粉(プロフ) - ひええそんなこと言ってくださる柑橘類様尊すぎませんか(?)ありがとうございます!!そのお言葉がモチベーションになります!!! (2022年5月31日 0時) (レス) id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
*柑橘類*@馬鹿同盟(プロフ) - えっ尊いですね(?) 応援します! (2022年5月29日 19時) (レス) @page6 id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そば粉 | 作成日時:2022年5月27日 11時