七、 ページ7
Taiga side
大我「ふあ…」
読書をしていたら、いつの間にか寝てしまっていたらしい。
まだふたりは帰っていないだろうかと顔を上げると、ちょうど部屋の戸が開いた。
大我「おかえり、早かっ……え？」
樹「…ほんとに人間匿ってるとはな。さすがジェシー、やっぱあいつの偵察力やべーわ」
そこにいたのは、北斗でも慎太郎でもない、知らない鬼。
異形の瞳に見つめられ、恐怖で身体の自由が利かなくなっていく。
大我「だ、誰…」
樹「別に誰だって良いだろ。あー、北斗との仲は最悪。それだけ分かりゃいいか、人間ちゃん？」
一番分かりたくない情報だった。
北斗の知り合いだったら話し合えるかも、なんて淡い希望は一瞬で消え去った。
大我「嫌だ…来ないで…」
樹「そんなにマジに拒否られると傷つくんだけど。…安心しろよ、今日は様子見だから乱暴なマネはしねえし…おっと」
薄気味悪い笑みを浮かべて俺に近づいてきたその鬼は、背後に気配を感じると素早く横に避けた。
そこにあったのは、蹴り上げた慎太郎の足。
慎太郎「何しに来た、樹」
樹「…見ての通りだけど？てかお前も知ってたのかよ。良かったじゃん、やっと信頼されたんだ」
慎太郎「っ、、！」
慎太郎の目は怒りの色に染まっている。
樹と呼ばれた鬼は、掴みかかってきた慎太郎の腕をひらりと躱し、
樹「今度はちゃんと迎えにくるから、いい子で待っててね〜」
そう言い残して部屋を去っていった。
・・・
大我「し、しんたろ」
慎太郎「もう大丈夫だから。ごめんね、守りきれなくて」
大我「ううん、ありがとう。…北斗は？」
慎太郎「先方との交渉が長引いてて、まだ仕事中。俺だけ先に帰ってきた」
大我「そっか…」
慎太郎があの時帰ってきてくれなかったらどうなっていたかと思うと身の毛がよだつ。
あの鬼、『北斗との仲は最悪』って言ってたけど…どういうことなんだろう。
北斗、敵を作りやすい性格じゃないのに。
慎太郎は普段の彼からは想像できないほど険しい表情をしていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 408人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2020年7月30日 22時
