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「あっ」
そう、そこでみんな歌いだして、
僕も歌いたくてたまらなくなった。
ギター一本のはずなのに、
ピアノやドラムもあって、
ベース音もあるようなしっかり作り込まれた音の厚み。
心地いい音。
アコースティックギターってこんなに音大きかった？
もっと聴かないと、と思ったところで音が止まる。
「あ、終わっちゃった」
僕は我に返った。
Aは試し弾きが終わったとでもいうように、ペグを回した。
「楽しくて、踊り出したくなる感じの曲。
コード進行がどんどんヒートアップして
期待を裏切らない感じ、
でもたまに癖になるコードが混ざってるから、耳に残るんだよなあ」
そう、耳に残って離れない音があった。
その音を追っていたら、
楽しくなって歌いたくなって。
「適当に歌ってみてください。
いい声してるんだから歌わないと勿体無いです」
歌詞なんてラ〜で十分ですよ。
Aはそう言うと、イントロ部分からギターを奏で始めた。
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作者名：ちよこれいと
| 作成日時：2023年6月11日 22時
