神様と過ごした或る日のこと【SVT/MH】 (ページ15)

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　と、次の瞬間クリスマスツリーのイルミネーションが光り出した。

　光の洪水が薄暗い空に溢れる。
　広場中から、わあっと悲鳴のような大歓声が上がった。

　近くで準備していた演奏家たちが曲を奏で始めた。

　どこからともなく踊りだす人々。

　観客が音に合わせて口笛を吹き、囃し立てる。

　演奏に合わせて歌い出す人々の明るい声。

　光と音が広場を埋め尽くす。

　拍手。楽しい拍手。

　これは。
　知ってる、僕は。
　鳥肌が経つのを感じた。

　思い浮かんだのは、僕たちSEVENTEENの初めてのコンサートだった。

　ただの路上パフォーマンスだ。
　何万人と僕たちを見るために集まるコンサート会場とは別の、まぁ見なくてもいっかって通り過ぎてしまいそうな不特定多数への。
　路上パフォーマンスなんて韓国でも見たことあるし、中国にだってたまに駅でやってる人はいたのに。

　なのに、なんでこんなに。
　あの時は、やっとメンバーみんなでデビューできた幸せに包まれていて。
　ファン、メンバー、ペンライトの光、会場に鳴り響く音。
　全てがそろって幸せな空間を僕の胸に残していた。

「ひゃー、凄い、凄いっ」

　Aは、とても楽しそうだった。

　光に目を輝かせ、音に合わせて体を揺らす。
　踊る人たちに拍手を送っていた。

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