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店を出た途端に一息ついたAに、僕は声をかけた。
「緊張しました？」
「よかったー、自分で買えたっ」
「え、これも初めて記念？」
僕は純粋に驚いて、
慌てて取り繕うように口元を隠した。
しまった、馬鹿にしているように聞こえたかもしれない。
「うん。自分で買い物ができるようになって嬉しい」
Aはニコニコ笑った。
僕は自分の純粋な驚きだけがAに伝わったことにホッとした。
自分で買い物したことがないって、
大人っぽく見えるだけで、もしかしたらかなり年下かな？
英語も流暢だったけど、本当はどこから来たんだろう？
いや、どうせ行きずりの縁だし、
僕も明かせない秘密は多い。
考えるよりも今を楽しもう、そう考え直して先を歩くAを追った。
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作者名：ちよこれいと
| 作成日時：2023年6月11日 22時
