神様と過ごした或る日のこと【SVT/MH】 (ページ12)

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コヴェントガーデン駅ページ12

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　駅を出ると
ロンドンらしい赤煉瓦の街並みが広がり、
恋人や家族連れで賑わっていた。

　どこからかクリスマスソングが聞こえてくる。

「わたしポストカード買いたいです」

　Aがそう言ったので、
近くにあった雑貨店に入る。

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　店内はクリスマス一色に装飾がされていて、
韓国とイギリスのクリスマスへの
本気度の違いを感じられて面白いなぁ、と僕は思った。

　Aはどう感じてるんだろう

　店内を見回すと、
ポストカード売り場の前で
真剣に悩んでいる背中を見つけて声をかけた。

「ポストカード、
誰かに贈るんですか？」

「お母さんと、自分用に」

「いいですね。
　クリスマスカードじゃなくていいんですか？」

「うーん、クリスマスじゃなくて
切符初めて買えた記念日をお祝いしたいから」

　彼女の中ではクリスマスと
切符記念日は別々に考えたいらしい。

「ミンハオさん、
ポストカード買うときってどうしたらいいんですか？」

「え？ああ、会計なら店の奥に。
　……一緒に行きましょうか？」

　Aを会計場所まで案内する。
　彼女は台の上にそっとポストカードを置いて

「これ、買いたいです」

と流暢な英語で、恐る恐る店員に声をかけた。

　店員は特に不審がることもなく
レジ打ちをしてクレジットカードで支払いを終えると、紙袋に入れたポストカードをレイに渡した。

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