神様と過ごした或る日のこと【SVT/MH】 (ページ1)

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フランス・パリ北駅ページ1

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　いつもより寝ていたはずだったが、
それでも前日のライブの疲れから
睡魔に襲われていたことに気づいた。

　一瞬どこにいるのかわからなくなり、
キョロキョロとメンバーや
マネージャーを探しそうになったものの、
窓から見える駅の風景を見て、
ああ、まだパリから発車していなかったのか、と僕は理解した。

　そして知らないうちに向かい側の席が埋まっていたのを見て、ギクリとした。

　
　確かに自分は、
今や世界ツアーもする
韓国のアイドルグループ『SEVENTEEN』のメンバーだ。

　韓国にいたら一般人と共に列車に乗ることはまずない。

　列車に乗るとしても、
車両1つ貸し切っていた。

　
　しかし、そうは言ってもここは異国の地、フランス・パリ。

　アジア人の顔は全部同じに見えるというし。

　芸能人らしい化粧や
派手な服装もしていないから大丈夫、
と自分に言い聞かせながらも黒いバケットハットを深く被った。

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