第35話 ページ37
「ねえ、それ俺のターゲットなんだけど」
想定外のことが起きた。
いや、仕事自体は予定通りに進み、無事ターゲットも始末出来たのだが。
オーラ回収のため《暴れ喰るう番犬》にそのターゲットを食べさせようとしている時だった。
突然どこからともなく針が飛んできたのだ。
番犬がその針を食べて守ってくれたので無事だったが、発動していなければ危なかったかもしれない。
急いで番犬を引っ込める。能力のことはあまり知られたくない。
自身の情報を他人には渡したくなかった。
基本的に仕事ではナイフを使った体術で相手を仕留めている。その後周囲を確認し、番犬に食べさせているのだが…確認が甘かったかもしれない。
長めの黒髪を靡かせて高所から降り立った男は、冒頭の台詞を言い放ったのだった。
「聞いてる？」
『あ、はい、聞いてます…』
自己紹介は受けていないが、私は彼を知っていた。原作知識、である。
イルミ・ゾルディック。
有名な暗殺一家、ゾルディック家の長男。
なんとも厄介な人間がやってきたと内心ビビりまくっている。まさかターゲットが被るなんて。
『えぇと、どうしましょう？』
「ま、死んだ後だし仕方ないけど。依頼主は死んだ証明の写真をご希望でさ」
よく知らないけど、さっきのお前の犬共に喰われると困るんだよね、と言う。
ああそんなことかと私は安堵した。
『写真ならどうぞ撮って頂いて…』
「そう？じゃあ遠慮なく」
死体に携帯を向け、カシャカシャと写真を撮っている。
「ところでお前、名前は？」
『え、えぇ…と、一部では狂犬などと呼ばれてますが』
「は？名前を聞いたんだけど。耳大丈夫？」
はぐらかしてんだよ、とは言えない。引き攣る顔をなんとか笑みに変える。
何の為に小っ恥ずかしい通り名を名乗ったと…。
普段から名前を隠して活動しているし、ましてやこの相手はメインキャラクターだ。原作でもクロロと交流があるみたいだし…。
「早く、名前」
『Aです…』
「そ、Aね」
無理だった。何この人圧強すぎでしょ。
キルアくんよく耐えてたね…このお兄さん怖いね…。
「俺はイルミ・ゾルディック。よろしく」
『よ、よろしく…？』
「じゃ、行くよ」
行くよ？もう行くからバイバイってことかな。
『はい、それではお元気で…』
「勝手にどこ行こうとしてんの。こっちだよ、俺の家」
『はい？』
いまいち会話が噛み合わない。
これはもはや相性の問題かもしれないと、美しい星空を眺めて現実逃避した。
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推しの命は私の命 - 番外編だけでも書いてくれ (3月2日 21時) (
レス) id: be6e33eff1 (このIDを非表示/違反報告)
あいす - クロロがドロドロしていて凄い刺さりました,,😭めちゃ面白いです！！応援してます！！！！ (9月29日 13時) (レス) @page28 id: d200d8285a (このIDを非表示/違反報告)
ritsu(プロフ) - 次がすっごく楽しみです!!!頑張ってくださいね! (9月12日 23時) (レス) id: 09c2417c6f (このIDを非表示/違反報告)
みのる - 続きすごい楽しみです！！！待ってます！！！ (9月11日 23時) (レス) @page48 id: b8a09115f0 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！ (5月3日 12時) (レス) @page48 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナキサ x他1人 | 作成日時：2021年8月27日 15時
