第19話 ページ20
突然の念の覚醒に驚いたが、目覚めてしまったからには訓練したいものである。
『私も不思議能力が使えるようになるってことだよね』
「不思議能力っていうと一気に馬鹿っぽくなるな」
『どうしてもっと早く教えてくれなかったの?知ってたら瞑想くらいしてたのに』
まぁ知ってましたけどね、と心の中でつぶやく。
"なんで瞑想なんかしてんの?"やら"なんで念のこと知ってんの?"なんて質問に答えられる自信がなかったため、瞑想はしなかったが。
しかし、何故教えてくれなかったのかは気になっていた。クロロは私と出会う前から既に念は習得していたらしい。
何か深い訳でもあったのかと勘繰ったが、クロロはあっさりと答える。
「まだAじゃ念のこと理解できないだろうと思って」
『むっ…』
とことん私を馬鹿にしているなと不満に思った。
が、考えてみれば私が念のことを理解出来たのは原作知識があるためである。
…無かったら、まぁ、理解出来てなかったかも。
そう思うと不満が消えた。クロロはちゃんと私のことを分かっているのだ。
腹が立つのはまた別である。
_____
『ねぇクロロ、私の"纏"、どうかな?』
「結構良いよ。この期間でここまで仕上げたのは驚きだ」
数日後。
怪我人として絶対安静な私が暇だ暇だとごねたら、クロロが念の指導をしてくれることになった。
そういう訳で、"纏"の完成度を上げる数日だった。
『じゃあ次の…』
「だめ」
『え』
次の"絶"を教えてと言おうとしたところ、にっこりと良い笑顔で断られた。
なんでだ、褒めてくれたのに…。
その考えを察したのかクロロが口を開く。
「"結構良い"と言っただけで、完璧とは言ってないだろ」
『初心者に完璧を求めるなんて…先生向いてないんじゃ』
「ん?そんなこと言っていいの?もう教えないでおこうか」
『わー理想的な先生に教えてもらえて嬉しいなあ』
だよねー、と笑うクロロに、私は媚を売らなければいけないのである。
念の習得の為には仕方が無い。
742人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
推しの命は私の命 - 番外編だけでも書いてくれ (3月2日 21時) (レス) id: be6e33eff1 (このIDを非表示/違反報告)
あいす - クロロがドロドロしていて凄い刺さりました,,😭めちゃ面白いです!!応援してます!!!! (9月29日 13時) (レス) @page28 id: d200d8285a (このIDを非表示/違反報告)
ritsu(プロフ) - 次がすっごく楽しみです!!!頑張ってくださいね! (9月12日 23時) (レス) id: 09c2417c6f (このIDを非表示/違反報告)
みのる - 続きすごい楽しみです!!!待ってます!!! (9月11日 23時) (レス) @page48 id: b8a09115f0 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き楽しみにしてます! (2023年5月3日 12時) (レス) @page48 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ナキサ x他1人 | 作成日時:2021年8月27日 15時