第11話 ページ12
流星街に住んでいて、勿論温かいお風呂なんてものは入れない。
ただ体が汚いままではいくらなんでも不衛生だということで、近くにある海で水浴び程度はする。汚い水だが、この街にしては綺麗なほうだと思う。
服を脱いで裸になる。女性陣であるマチ、パクと一緒に足が浸かるまで海に入るが、冷たさに体がブルっと震えた。この水温はいつまで経っても慣れない。
ああ、日本の浴槽で暖かいお湯に浸かって寛いでいたあの日が恋しい…。
我ながらよく耐えているなと感心する。この地で結構な時間を過ごしてきたが、正直虫は今でも苦手だ。
「見たところ怪我は治ってきたね。まだ痛みはある？」
『ううん。もう全然痛くない、大丈夫！』
「良かったわ。それにしても、体を張って喧嘩を止めるだなんて無茶なことをしたわね」
笑いを零すパクに、もうしませんと心に誓った。暫くの間は動くだけで痛みを感じて目が潤む程だった。もう経験したくない。この世界にいる限りはまた大怪我しそうではあるが。
因みに私が痛みで泣きそうになる様子には全員気付いていた。
シャルやフェイ、クロロなんかは軽いノリで傷口を押して、ひぃひぃ泣く私を面白がってきた。
ウボォーやノブナガあたりは「根性が足りねぇな」とゲラゲラ笑っていた。
流石に殺意が湧いた。
「あたしはそろそろ出るよ。男共が変な事してそうだしね」
「私も出ようかしら。Aは？」
『んー…もう少ししたら行く』
ひと通り身体を洗い終わったようで、二人は先に拠点へ戻っていった。
ちゃぷ、ちゃぷ。岩場に座って、手を使って水を遊ぶ。水を掬いあげたり、ぐるぐると小さな渦巻きを作ったり、何となく楽しい。
「なんだ、まだいたんだ」
『えっ？』
後ろを振り向けば、クロロが何事もないかのように服を脱ぎ始めている。
一応男女だよね…！？まだ子供だからセーフなのか。いやいやこの年ってお互い小学校高学年とか中学生だよね。アウトじゃ？
判断しかねている間に、クロロは脱ぎ終わったようだ。
『あ、あの』
「ん？」
『…見ちゃ、ダメだからね』
前世の自分と比べてまだ体は発展途上で、栄養不足により肉付きも悪いが…胸の膨らみはあるし、恥ずかしさも…。
腕で隠すようにして、体を少し縮こまらせた。
「安心していいよ、興味無いし」
『それはそれでちょっと酷い…』
「難しいな、本当は見て欲しいの？…わかったわかった、見ないようにするから」
じっと目で見て訴えれば、クロロは言う通りに顔を背けた。
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推しの命は私の命 - 番外編だけでも書いてくれ (3月2日 21時) (
レス) id: be6e33eff1 (このIDを非表示/違反報告)
あいす - クロロがドロドロしていて凄い刺さりました,,😭めちゃ面白いです！！応援してます！！！！ (9月29日 13時) (レス) @page28 id: d200d8285a (このIDを非表示/違反報告)
ritsu(プロフ) - 次がすっごく楽しみです!!!頑張ってくださいね! (9月12日 23時) (レス) id: 09c2417c6f (このIDを非表示/違反報告)
みのる - 続きすごい楽しみです！！！待ってます！！！ (9月11日 23時) (レス) @page48 id: b8a09115f0 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！ (5月3日 12時) (レス) @page48 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナキサ x他1人 | 作成日時：2021年8月27日 15時
