第2話 ページ3
少年はクロロと名乗った。自発的には教えてくれなかったから、恐る恐る名前を聞いた。
年は私と同じくらい…少し上だろうか。
いや、そんなことはどうでもいい。
＿＿クロロ、だよね。
黒い髪に黒い瞳、そして顔立ち。まだ幼い子供だがクロロ=ルシルフルそのものだった。驚きと興奮で涙はすっかり止まった。すぐに現実を思い出し、泣きそうな顔に逆戻りしたが。
クロロは思いのほか親切だった。
こんな環境では他人に構う余裕は無いだろうからさっさと見捨ててどこかへ行くと思ったが、彼はじっとこちらを見た後に「こっちだ」と私に背を向け歩き出した。
慌てて後を着いていくと、ボロボロで今にも崩れそうな教会に辿り着いた。クロロや私と同い年くらいの子供が数人。
「あれ？クロロ、その子誰？」
「新入り」
「へぇ」
金髪の子がクロロに問い掛けた。名乗らなくても分かる、シャルナークだ。横にいるピンクの髪はマチだし、さらにその後ろにいるのはウボォーギンとノブナガ。あとは…、
「パクとフランクリンは？」
「食料盗みにいってる」
…だそうだ。
旅団の創設メンバーが誰だったかはあまり覚えていない。これで全員だったっけ？
漫画で見たことがある顔ぶれ達に、あまり現実味を感じられない。本当に漫画の世界に私は迷い込んだのかと、ぼんやり思うくらいだった。
「で、アンタ名前は？」
『えっ？あ、えと、Aです』
「そ。あたしはマチ。…別に攻撃しないから、その顔やめな」
警戒を見せていたマチは、私の顔を見て少し困ったような、気まずそうな顔をした。そんなに私は不安そうな顔をしてただろうか。してたかもしれない。
ごめんなさいと咄嗟に謝り、他の人とも挨拶をしていく。警戒はされているものの、極悪非道の盗賊集団になるであろう人達にしては優しいと思った。
『そ、それで私は何をすれば…？』
「金になりそうなゴミ探しと盗みだな。ちゃんと働けよ」
「まあ気を楽にしなって。そんな悪いことにはならないよ、多分ね」
シャルのフォローになってないフォローに不安が渦巻く。私は本当にここで生きていけるのだろうかと思う度、涙が溢れそうになった。
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推しの命は私の命 - 番外編だけでも書いてくれ (3月2日 21時) (
レス) id: be6e33eff1 (このIDを非表示/違反報告)
あいす - クロロがドロドロしていて凄い刺さりました,,😭めちゃ面白いです！！応援してます！！！！ (9月29日 13時) (レス) @page28 id: d200d8285a (このIDを非表示/違反報告)
ritsu(プロフ) - 次がすっごく楽しみです!!!頑張ってくださいね! (9月12日 23時) (レス) id: 09c2417c6f (このIDを非表示/違反報告)
みのる - 続きすごい楽しみです！！！待ってます！！！ (9月11日 23時) (レス) @page48 id: b8a09115f0 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！ (5月3日 12時) (レス) @page48 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナキサ x他1人 | 作成日時：2021年8月27日 15時
